中学校教科書分析 地理編その1

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[教科書] ブログ村キーワード 今回からは目先を変えて,現行の中学校の地理教科書を少しずつ分析してみたいと思います。間に適宜,別カテゴリのエントリが挟まると思いますが,お付き合いいただければ幸いです。

今回は「第1編 世界のさまざまな地域」の「第1章 世界のすがた」をざっと大まかに分析してみたいと思います。分析対象は東京書籍,帝国書院,教育出版,日本文教出版の4社です。

東京書籍(東書)
  • 全体的にはよくまとまっていると言えますが,ところどころに「なぜここまで書いてあるのに語句や数値を記さないのか? という点」があります。
  • 陸半球や水半球の図版が大きすぎる気がしますし,地球の大きさに関する数字(統計資料)は載せてもいいのではないかと思います。特に,赤道の長さを示していないのはマイナスだなあと思います。
  • 地図の図法(メルカトル図法・モルワイデ図法・正距方位図法)の3図法は図を示しているが図法名は出していません。図を示してあり,スペースもあるわけなので,図法名を示した方がいいと思います。今回の東書はこの手の「ここまで書いてあるのに,肝心の用語をなぜ書かなかった?」という点が少なくありません。
  • 経度や緯度の説明はよくまとまっています。
  • おもな国々の国名と位置は,以前の旧課程とさほど違いはあまりないかもという感じです。
  • オフトピックとして,表紙周りの表2ページの韓国の国旗がネットで叩かれるネタになってました。たしかに,しばらくは見えますけどね。でも過剰反応するのもどうかと思いますが。
帝国書院(帝国)
  • 六大陸・三大洋や世界の州分けはわずか2ページでよくまとめています。しかし,帝国も東書と同様に赤道の長さなどの地球の大きさに関する数字が示されていません
  • 「世界のおもな国」の紹介の節は内容が薄いです。これも旧課程とたいして差はないでしょうか。
  • 世界の国の面積の大きい国・小さい国を面積の数値付きで示しているのは良いと思いました。
  • 緯度・経度の説明に問題はないでしょう。
  • 地球儀や世界地図の単元については,東書と同様で地図の図法(メルカトル図法・モルワイデ図法・正距方位図法)の3図法は図を示しているが図法名は出していません
教育出版(教出)
  • 最初の地球に関する説明は,ちょっと蛇足気味ですね。陸:海の面積比を統計資料付きで示しているのはグッドです。
  • 緯度・経度の説明時に白夜を紹介している数少ないメーカーです(昔は全社載っているものだったのに……)。地球番地は正直蛇足。
  • 世界の国の成り立ちは,テーマ別にうまくまとめていると思います。ここは好評価です。
  • 最大のマイナス点もあります。地図の図法の説明がいっさいありません。このため,教出を採択している地域がある自治体の公立高校の入試問題では,図法に関する問題そのものが出題できないでしょう。図法の特色を答えさせたり,読み取ったりする問題を出題できなくさせてしまった戦犯です。教出以外の教科書だけを採択している地域では図法の読み取り問題は出題される可能性は十分にあります
日本文教出版(日文)
  • 世界の国々の紹介はかなりあっさりしているなあとは思うのですが,今回紹介した範囲の中では日文が一番よくできていると思います。
  • 六大陸・三大洋や世界の州分けは,帝国と同様で,わずか2ページでよくまとめています。赤道の長さは記されてはいませんが,図法のページでほぼ充当できるだろうと思いましたので,帝国より高評価です。
  • 「世界の国を知る」の節は,位置・人口・面積・国境などの国を比較する定番所を押さえていますし,国旗もある程度押さえていますが,国内総生産を太字指定にして世界の国をみるというのは日文だけでした。中1にはわかりにくい用語ですが,こういう視点を提供するのも大切なことだと思います。
  • 緯度・経度は過不足はありませんし,図法も名称まで記されているなど4社の中では最も手堅く書かれているといっていいでしょう。
まとめ
「第1編 世界のさまざまな地域」の「第1章 世界のすがた」については,おおよそ「日文>帝国≧東書>>教出」だろうと,私は思っています。


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