中学校教科書分析 地理編その2-1

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前回に引き続き,「第1編 世界のさまざまな地域」の「第2章 世界各地の人々の生活と環境」をざっと大まかに分析してみたいと思います。分析対象は前回と同じく,東京書籍,帝国書院,教育出版,日本文教出版の4社ですが,今回は東京書籍と帝国書院について述べていきます。

全体的な話

  • この単元は,各社工夫をこらして書かれているのですが,各社で扱ってる地域がバラバラ過ぎて,悩みどころになりかねません。異なる教科書を採択している地域同士で共通の実力テストを作ろうなどといった状況になれば,最大公約数的な内容は一部だけしかありません
  • 教科書会社も苦慮してこの単元を作り上げたと思いますが,微妙ではないでしょうか。ここを全般的に手直しする場合は,学習指導要領側の書き換えが必要でしょうけど。私からすれば,現行の進め方ではなく,まず世界の気候分布や地形,世界の主食の分布や宗教分布をしっかりと学習させて,各地域の学習へ移行する方がいいのではないかと思います(その点では,以前の小さいサイズの教科書の時期をベースに組み直した方がいいと思っています)。現状のように世界の気候分布をしっかりとやらずに一部の地域の気候や人々の生活をピンポイントで取り上げるという方式は応用力の育成を阻害しかねないのではないでしょうか。
  • 入試問題の点から考えた場合,公立高校入試ではこの単元から出題できる問題は限られたものになるでしょう。


東京書籍(東書)
  • イタリア・シベリア・カナダ北部・アンデスなどおおよそ世界の気候区分に沿った代表的な地域を取り上げている点は高評価。しかし,世界の気候区分に沿ってやるのであれば,P.40~41の世界の気候区分を最初に持ってきて,まず最初に世界の気候区分を全体的に学習させるようにした方がいいと思います。その点は残念です。
  • イヌイット・タイガ・オアシス・焼畑農業など重要語句はよく提示されていますが,アンデスは太字指定の重要語句がなく,若干アンバランスに感じました。
  • 世界の宗教を大まかに説明しているところは,イスラム教の説明がどうしても多くなります。それ自体はやむを得ませんが,太字指定の基準がよくわかりません。モスクや断食が太字指定なのに,「コーラン」や聖地の「メッカ」が太字指定になっていないのは何かおかしいなと感じますね
  • 伝統的な生活とその変化の節はあっさりしてますね。世界の主な主食分布を示すぐらいはしていいのではないでしょうか
帝国書院(帝国)
  • P.33の気候区分を先に持ってきて全体を捉えておくべきだと思います。その点は東書と同様の意見です。
  • 各地域の気候・生活の特色は,東書より取り上げられている地域は少ないため,当初に比べるとどうしても内容が貧弱です。
  • 6節で各地域の住居・衣服の代表例が取り上げられていますが,これは写真付きで実例も多く良いと思います。しかし,先に取り上げられている地域のアンデスの衣服は紹介されていません。ちょっとそれはどうかなあと思います。
  • 食文化は地図でまとめられていますし,宗教もうまくまとめられています。ただし,宗教の方はもう少し,太字指定の重要語句を増やした方が良かったでしょう
とりあえず,今回はここまでとさせていただきたく。


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