中学校教科書分析 地理編その3-1

20:29:00
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今日は,中学校の地理教科書分析のその3を2回に分けて書いていきたいと思います。
今回は,アジア州に関する分析となります。
分析対象は,これまでと同じく,次の4社です。
  1. 東京書籍(東書)
  2. 帝国書院(帝国)
  3. 教育出版(教出)
  4. 日本文教出版(日文)
まず,3-1では,東書と帝国を分析してみましょう。

東京書籍
  • 最初は全体的な眺め方を示していますが,P.44の地図はちょっとごちゃごちゃしている感じです。国を示す地図と,地形などを示す地図とは分離したほうが見やすいのではないかと思います。
  • 地形は,重要なはずの山脈や大きな河川などが太字指定になっていません重要な地形には積極的に太字指定をすべきでしょう。人口や都市化の内容は特にコメントなし。
  • 文化についての記述は,太字指定がなくぼやけて見えてしまう感があります。フィリピンでキリスト教の影響が特異的に強いことも書いてあるのですが,これは前の章で触れても良かったかも。
  • アジアの産業の変化については,重要語句も過不足なく書かれていますが,せめてタイあたりの国の輸出入の変化を示すことができれば良かったのになあと一瞬思いましたが,P.50に書いてありました。このグラフは前のページに移動した方がいいでしょうね。
  • 中国は,改訂前の教科書でも主要な国として取り扱っていたこともあり,ある程度まとめられていますが,農業に関する記述がありませんインドも農業に関する記述がないなど内容がちょっと薄めに感じます米や小麦の生産量などは世界1・2位なのですから,そのぐらいは書くべきでしょう。指導要領で触れられていないとは思いますが……。
  • 東南アジアはよくまとまっていますが,えびとかマングローブとかは太字指定にしてもいいと思います
  • 西アジアでOPECに触れてあるののは高評価、中央アジアも記述量はわずかですがレアメタルやシルクロードにも触れてある点は高評価です。
帝国書院
  • P.44で地図や写真・雨温図などを提示しています。自然や地形を示した地図は主な地形がわかりやすいのでいいと思います
  • 地域分けや季節風の影響は簡潔に書かれていますが,雨季とか乾季を太字指定にするぐらいなら,重要な地形は太字指定にする優先度が高いのではないでしょうか
  • 各国の宗教人口の割合を示したグラフは良い資料提示だと思います。また,中国やインドの人口集中についてもしっかり述べられていますし,一人っ子政策についても述べられているのは良いでしょう。
  • P.45で季節風の影響と気候について述べていますが,その後,アジアの文化と人口で2ページを割いて,その後,季節風と農業を述べていますが,文化と人口は農業より後回しにした方が良かったかもしれません。つながりがブチッと切れてるような気がしてなりません。
  • アジアの工業化に関する記述も,必要最小限のことは書いてありますが,各国でどのような状況になっているのかとかはわかりにくい記述です
  • 中国については割と細かめに書かれていますが,他の地域・国はざっくりとしていて内容が薄いです。統計資料もいろいろ示されてはいますが,東南アジアでのプランテーションが書かれていないなど不安点もあります。東書のようにもっと地域を区切って詳細に書く方がいいんじゃないでしょうか。
  • 妙に文化面の記述をプッシュしている感があります。東書などをあらかじめ読んでおくと,帝国の記述にはこれじゃない感があるのは否定できないでしょう。
帝国は改訂前の教科書でも異様な癖の強さがあったことから,使いにくかったと感じておられる方も少なくなかったのではないでしょうか。以前よりは,癖は多少控えめになったのかなと思います。高校地理の教科書は鉄板なのに,どうして中学校の教科書はこうなんだと突っ込まざるを得ないです。


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