中学校教科書分析 地理編その3-2

22:40:00
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今回は,中学校の地理教科書における「アジア州」の内容分析の続きです。前回の東京書籍と帝国書院に引き続き,教育出版と日本文教出版を見ていきたいと思います。

教育出版(教出)
  • P.35に書かれている「湿潤アジア」と「乾燥アジア」は中学生にはちょっと早い気がしますし,また,同じページには著者の自虐史観が反映されている記述も散見されます
  • 中国だけで6ページを割いています。内容を読むに,前回の旧課程の内容を意識して書かれているようですが,あとの地域のページ数は朝鮮半島で2ページ,東南アジアで2ページ,西アジアが2ページとなっており,教出は明らかに中国偏重姿勢が強いと言えるでしょう
  • 朝鮮半島の記述は,「アジアNIEs」あたりは太字指定にしても良かったのではないかと思いました。あと,「新しい首都の建設が~」という記述は誤解を招きやすいのではないでしょうか。新しい首都としての扱いは韓国の憲法裁判所が違憲判決を出していますからよろしくないと思います「行政機関を移転させるための新しい都市の建設を進めています。」程度の記述にしておかなければならないと思いますよ。
  • 東南アジアは半分強はうまくまとめられていると思うのですが,タイに関する記述量が割合的に多すぎるように感じました
  • 西アジアについては,原油(石油)関連の記述やOPEC,聖地メッカなども記されており,よくまとまっていると思います。
  • 旧課程の薄すぎる内容からはだいぶ改善されたと思います。しかし,P.35の「湿潤アジア」と「乾燥アジア」とか自虐史観まみれの記述,中国で6ページも消費するなどページを浪費するぐらいなら,中央アジアや南アジアの内容記述をちゃんと用意していただきたい。その方がはるかに有用なはずです。次回の改訂ではそこらへんをまともにしていただきたいと思います。
日本文教出版(日文)
  • 最初の4ページで主だった国々の国名・首都・面積・人口などを手堅くまとめていますし,写真などもよく掲載されています。ただし,地形の学習には向いていない地図だと思います。
  • 日文は国ごとに特色を書く形ではなく,東アジア~東南アジア,南アジア~西アジアの2地域に大まかに区分して記述されています。ただし,何でそれが太字なのか? と言いたくなる語句もあります。中国の東北区・華北・華中・華南は太字指定にする必要があるのでしょうか。それよりは重要な地形を,どこかにまとめてわかりやすく太字で示した方がいいでしょう。また,東南アジアのえびの養殖やマングローブの伐採などは記述がありません。その点は物足りないものはあります。
  • 農業や鉱工業は地図でまとめられており,使いやすいと思います。ですが,文章で記述されている内容の方は各国の独自の取り組みなどが見えにくくなっているのが欠点です(例:中国の経済特区など)。インドのIT産業や西アジアのOPECあたりは記載されています。
  • 旧大阪書籍系の教科書としては少し内容の物足りなさを感じました。手堅いと言えば手堅いのですが,何というかこれじゃないよなーというものが少なからず感じられます。
まとめ
以前の旧課程も取り扱われる国の違いで結構な差があったわけですが,今使われているものは同じ地域の単元でも教科書会社によって内容にかなりの差が出てきています。私が,4社の内容面を評価する場合,「東書>>日文>教出>帝国」となるでしょうか。日文・教出・帝国は割と僅差ではありますが,教出は南アジアの記述がなく,帝国は東南アジアのプランテーションがないなどの点を考慮した結果です。


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