【2018年度入試】大阪府立高校入試に向けて:その2(参考書の紹介)

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参考書
前回は,主に2018年度(平成30年度)入試の制度概要をかいつまんで紹介してきました。

今回は,過去問集などの来年度入試に向けての入試問題集・予想問題集を紹介していきます。

入試問題でどういう出題傾向が続いてきたかを知っておくことは,次年度の入試を戦う上では非常に重要な取り組みです。
自分で問題を限られた時間で解きながら,問題を解く順番の戦術を練ったり,傾向分析をしたり,弱点の把握をしたりと様々なことができます。

それでは,現時点で発行されているものを次に紹介していきます。

英俊社の赤本

まず,大阪府立高校入試の過去問集としては英俊社の赤本シリーズが最も定番でしょう。
ただし,今年度に出版された2018年度向けのものは,一般選抜と特別選抜が分冊の構成となったため,コストパフォーマンスは悪くなったなあ……と言わざるを得ないでしょう。



まず,特別選抜の方は特別選抜が始まってからの2年分しか問題が載録されていません。
また,特別選抜の冊子にも前期入試のA問題ぐらいは採録しておけば良かったのになあと思います。

一般選抜の冊子の方には不満は無いのですが,特別選抜の方には貧弱さを感じずにはいられません。

しかし,両方を買い揃えるとなると2300円ぐらいはかかりますので,それはそれでちょっと考え物。
府立高校入試は一般選抜のみだという人にとっては,一般選抜の1冊で済むので使い勝手は良いでしょうけど……。

なお,英俊社の赤本などのシリーズは,たまに誤字・脱字が見つかる場合もありますので,定期的に英俊社HPの誤記/誤植情報についてのページを確認し,誤字・脱字の修正情報が出ていないかをチェックした方が良いことは付け加えておきます。

誤字や誤りに気づかないままではドエライことになりかねませんので。

東京学参の過去問集

今年は,東京学参がかなり本気を出してきたのかな? とうかがわせる構成で過去問集を出してきました(去年までは気にもしなかったのですけど,今年は非常に気になる1冊になってきました)。

平成25年度~26年度の前期入試が採録されていない点平成25年度後期の国語大問1の引用文は使用許諾が得られていないので秘匿されているという弱点はありますが,コストパフォーマンスに関しては今年度発刊されたものの中ではおそらく最良でしょう。


解答用紙はHPからデータをダウンロードし,自宅かコンビニかで印刷して使う形式です。
また,音声CDが付いているものの,スマホ向けに音声データがダウンロードできるようになっており,かなり本気でシェアを取りに来たのかな? という感じがしました。

惜しむらくは,平成25年度~26年度の前期入試が採録されていない点に尽きます。平成25年度~26年度の前期入試が採録されていれば,間違いなく一押しだったのですが……。

富士教育の過去問集

今年,本屋で割と目立っている過去問集が,富士教育のものです。


とにかく過去問集の中では安さが際立つのですが,私としてはこの本は非推奨です。

他社はリスニング用のCDをちゃんと付けていますが,富士教育のものはリスニングで読み上げられている文面が問題の紙面内に書かれてしまっており,音声もついていません

ここまで,リスニング対策を完全に投げ捨てた本でシェアが取れると思ってるのでしょうか?
特に,英語C問題は配点の1/3がリスニングなのですから,正直な話,編集サイドは何を考えてるのか? と指摘せざるを得ません。

したがって,リスニング対策をちゃんと考えるとなると,この本以外に教英出版の「大阪府高校入試対策英語リスニング練習問題(後期)平成30年春受験用(練習CD+ネットで過去問5年分)」(今年の9月下旬発売予定)などを買わないといけないでしょうから,コストパフォーマンスは一見良いように見えてもかなり悪くなるのが現実です。

教英出版の過去問集

教英出版も入試問題の過去問集を発刊しています。「実物に近いリアルな紙面のプリント形式過去問」とポイントが銘打たれています。


費用があまりかけられないのなら教英出版の過去問集もありだとは思います。
ただし,今年はちょっと微妙かなとは思います。
まず,載録されているのは3年分ですし,あと130円ほど足せば東京学参の過去問集が買えます
採録年数と価格のバランスを考えれば,教英出版のものを買うよりは東京学参の本を買う方が良いでしょう。

五ツ木書房の過去問集

大阪の模擬テスト会の老舗である五ツ木書房からも,例年7月に模擬テスト会の過去問(9~11月回)に大阪府立高校入試が2年分付属した問題集が発刊されています。

ただし,この本は困ったことに大半のオンラインショッピングでは取り扱いがありません
現時点で確認できるのが,次の2店舗しかありません(両方とも現時点では取り寄せの扱いになっています)。
セブンネットショッピング全国書店ネットワーク e-hon

なお,この問題集は判型が他の過去問集と違って特殊なので,取り回しが面倒です。
A4の判型にしてくれれば,取り回しはかなり改善されるのになあ……,と言い続けて何年経ったでしょうか?

この本に関しては,あくまで五ツ木の模擬テスト会の9月~11月回の過去問練習用がメインです。
他に書いておくとすれば,模試当日の会場の雰囲気に呑まれないようにすることや事前の体調管理(温度対策)をしっかりしておくことです。
大阪府立高校の過去問についてはおまけ程度だと割り切りましょう。

ユーデックの過去問集(2018/02/13追記) 

今年度は出ないのかな? と思っていたユーデックの過去問集が他社に遅れて発売されていました。

大阪府公立高校入試問題集 平成30年度受験用

ユーデック
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採録年度が5年に戻ったことを考えれば,過去問集としての出来は最良でしょう。
ですが,価格が2310円というのがなかなか痛いところ。

多少,採録年度が抜けているとはいえ,東京学参が1000円未満で勝負をかけてきていることを考えると,価格面で大幅不利であることは否定できないでしょう(要点整理の冊子が付いているのはプラスなんですけどね)。

価格に糸目を付けず,大阪府立高校入試対策の過去問集をというのであれば,ユーデック一択だとは思います。
かなり冊子そのものが太くなってしまったので取り回しに少々難があるかもしれません。
来年度以降は,本の厚みを減らす意味でもうちょっと薄く漉いた紙で印刷・製本した方が良いのではないかなと思いました。

大阪進研の過去問集(2018/02/13追記)

大阪府内で塾をメインとして模試を実施している大阪進研も過去問集を例年,発行しています。

大阪府公立高校入試問題/5年分収録(2017-2013年度)

大阪進研 (2017-08-18)
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価格が2000円と結構高価格帯です。5年分収録されていることを考えれば,価格的には悪くはありません。
ただ,要点整理集が付いているユーデックとの価格差(310円)をどう見るかというところでしょう。

過去問集のまとめ(下線部分増補)

過去問集については,昨年度までと勢力図がかなり変わってくるのではないかと思います。
志望校の選択によって,英俊社か東京学参のいずれかを買い分けるのが良いでしょう。

私としては,基本的には次のパターンになるかなと思います。
  • 特別選抜→英俊社・特別選抜(注1)
  • 一般選抜A・B選択→東京学参・英俊社・ユーデック・大阪進研のいずれか
  • 一般選抜C選択→英俊社・ユーデック・大阪進研のいずれか
  • 五ツ木の9~11月回の練習→五ツ木の模擬テスト過去問集(注2)
注1:国・数・英の3教科に関しては,一般選抜の本も持っておいた方が良いかもしれません(2013~2015年度の前期A問題ぐらいは取り組んで損はない)。
注2:この本は価格が3300円ぐらいするので,無理にとは言いません。
ただ,五ツ木の模試を受験するなら,時間配分の戦術を立てるために手を付けておきたいですが……。

予想問題集・練習問題集について

テスト 試験問題 解答中
大阪府立高校入試の予想問題集は,英俊社が発行しているものが定番です。
ただし,英俊社の予想問題集は例年11月発刊となりますので,発行され次第,随時アップデートを行います。

また,たまに誤植や誤りが見つかる場合も少なくありませんので,英俊社のHPに訂正情報が出されているかどうかは定期的にチェックしておきましょう。

英俊社の問題集について

昨年度に英俊社より英語C問題対策専用の問題集が発刊されたのですが,今年度もC問題対策の問題集は継続して発刊されています。

大阪府公立高入試 英語C問題対策問題集

英俊社
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英語C問題型の英問英答型問題集ですので,この一冊でしっかりと慣れておきたいところです。
ただし,中学の英文法をしっかりとこなしてから取り組んだ方が良いです。


後で紹介する超英塾の問題集と併用すると良いかもしれません。

英俊社の予想テスト問題集(2018/02/13追記)

例年通り,英俊社の大阪府立高校入試対策の予想テスト問題集が発刊されています。


ただし,これは一般選抜向けになりますので,その点には注意が必要です。
特別選抜であれば,A・B選択をこなしておけば十分でしょう。
誤字・内容訂正に関しては,理科で内容訂正があったはず(訂正の紙が挟み込まれていたはずです)。 他教科にも訂正が無かったかどうかは,英俊社さんのHPでよく確認しておきましょう。

なお,社会に関して言えば,特別選抜の大問1特有の小問集合対策はできないでしょうから,そこらへんは一問一答の問題集(手持ちのもの)を併用した方が良いのではないでしょうか。

超英塾の問題集について

超英塾が出している問題集の1点目は,2015年に早々と発刊されたC問題のロングリスニング対策に焦点を絞った1冊です。


レビューによるとリスニングの音声には少々癖があるとのこと。
とはいえ,英俊社からC問題対策が発刊されるまでは,C問題対策は先駆けとなったこの1冊しかありませんでした。

ただし,この記事を執筆している2017年7月12日現在は在庫が無い状況です。
今年の入試を受けて,この本の改訂版が出るのか,もしくは現行の版で発売が継続されるのか,続編が出されるのかは注視する必要があるでしょう。

(2018/02/13追記) 現在,この本は「取り扱いできません」となっていますので,この本は廃版になった可能性が高いと思われます。
したがって,英語C問題対策は基本的には英俊社の問題集が第一選択となります。
それ以外にとなると,おそらく英検対策の問題集を使う形になってくるでしょう

また,超英塾ではkindleを対象とした英語問題集の電子書籍も発売されています。
次の英検3級用の電子書籍1冊はレベル的にも中卒レベルなので英作文の良い対策に使えるかもしれません。

英検3級Writingトレーニング: 新形式対応版
超英塾 (2016-12-19)
売り上げランキング: 15,597

スマホかタブレット,もしくはkindleアプリをインストールしたPCであれば閲覧が可能です。
ご家族がkindle unlimitedに加入しているのであれば,この本もダウンロードして使わせてもらいましょう。
値段も電子書籍だけあって安価ですから,英作文の練習としてチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

敵を知り,自分の実力を知るのは大切

入試においてもいかに合格するかの戦略・戦術は大切!
中国の有名な『孫子』の兵法の中には,次のような言葉があります。
彼を知りおのれを知れば百戦あやうからず。彼を知らずして己を知るは一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦う毎に殆うし。
敵をよく理解し,自身の実力をわきまえておけば戦いで負けることは無いというお話です。
入試でも同じ話なんですよね。

敵(入試問題)のレベル・出題傾向を把握し,自分の得手・不得手を含んだ実力を正確に把握しておくことは大切です。
そのためには,過去問演習で出題傾向や府立高校の各教科の癖を把握しておかなければなりません。
例えば,社会科だとここ2年の地理の統計問題が非常に時間を喰わされる設問が紛れ込んでいる点とかですね。

一方で,自分の実力を知るにはどうするかということですが,基本的には学校の校内実力テストとかが基本となりますが,それでは正直な話,井の中の蛙大海を知らずという状況になりかねません。

できれば五ツ木の模擬テスト(9~11月回)あたりは受けておきたいところですね。
9月回を場慣れ・雰囲気に慣れる回としておき,10・11月回でしっかりと結果を出せるように持っていければ良いでしょう。

もちろん,文理科狙いの受験生には五ツ木では簡単な部分もありますので,大手の塾が行う文理科の模試も受けることになるでしょう。

最後に

今回のエントリは,随時アップデートはしていくものの初稿は7月中旬のものです。
したがって,初稿の公開時点では,まだ発刊されていない書籍がまだあるはず。

新しく書籍が発刊され次第,この記事も情報をアップデートしたいと思います。
その点を,くれぐれもご了承いただければと思います。

2018/02/13:数点を追記・増補

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