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原稿を書きためて記事をアップしようと思った直前に読売のサイトから消されるとは……orz
泉ヶ丘駅から少し歩いた場所に大蓮公園があるのですが,この公園敷地内に,近隣の遺跡から出土した弥生土器や須恵器などを収蔵・展示している堺市立泉北すえむら資料館(旧泉北考古資料館)があります。
すえむら資料館は,堺市内で発掘された弥生土器や須恵器などといった資料がよく揃っています。
特に,この地域で発掘された須恵器は,時期によって変遷してきた重要文化財に指定されているものもあり,隠れた
この泉北すえむら資料館ですが,先日の市議会で閉鎖に関する議案が可決されたため,この9月末で閉鎖されることとなりました。
閉館の理由としては,建物の老朽化が原因とのこと。
特に,朝日の記事によると雨漏りは床が水浸しになることもあるようで,かなり深刻なレベルの模様。
ので,閉館前に一度訪れてみてはいかがでしょうか。
何だかなあ……
出土品の保管先の確保は喫緊の課題
展示品の中には重要文化財の指定がかかっているものが少なからず含まれています。
上の通り,9月末閉館ですから,残り時間はほぼ1か月半となっています。
しかし,閉館後の資料の保管・展示については,新聞報道でも書いている内容が食い違っていて,どっちを信じていいのかがわからない状況です。
どっちの報道内容が正しいのか?
ただ,閉館後の出土品の扱いについて,気になったことは,読売と朝日の記事で閉館後の出土品の扱いについての記述がまったく異なっている点です。朝日の記事では,文化財課分室で出土品の一部は展示するような流れだと書かれているのですが,はたして,本当にそうなのかは不明です。
読売の記事では,最初は市側は閉館後の保管場所として,市の文化財課分室(堺市文化財調査事務所)に保管したいという方向で検討していたようですが,文化庁から防火・防犯の面で問題ありと指摘されて,白紙に戻ったと書かれていました。
この件に関しては,読売と朝日のどちらが正しいのでしょうか?
文化庁からもGoサインを得られるだけの新たな保管場所の確保は市が解決しなければならない課題として,地味に緊急性が高い話ではないかなと。
読売の記事では,分室の次の検討先として,市立博物館を候補として検討しているが,博物館の肝心の収蔵庫はすでに満杯という状況だという話も書かれていました。
冗談抜きでどうすんの? っていうレベルの話です。
改修で良いような気が……
記事によると,すえむら資料館を改修する場合,費用で数億円はかかるとのこと。さかい利晶の杜にかけた大金を考えれば,「アレ? 安くね?」と思えてしまうのが何とも……。朝日新聞の報道では,建築研究家らが施設の保存を要請しているとのこと。
その理由は,最期あたりの余談その1に回したいと思います。
現在地では駐車場が確保できない点が運営上でネックだとは言われていますが,最寄駅から徒歩圏内ですから車に頼らずに駅から徒歩で行ってみるのも,一興ではないかと思いますけどね(残り期間は暑い時期ですけど)。
文化財課分室はアクセスに難あり
さて,ここの節では,移転候補先として挙げられている文化財課分室(堺市文化財調査事務所)について考えてみたいと思います。昔から南区に住んでいる人にとっては,「堺市立埋蔵文化財センター」という名前の方に記憶があるかもしれません。
文化財分室で出土品の展示が続くのであれば,それはそれで良いことなのですが,現地へのアクセスの面から考えると,現在地の大蓮公園内の敷地よりもアクセス性がかなり低下するのは避けられません。
文化財課分室の位置は次のGoogleマップでわかるようになっていますので,ご覧ください。
鉄道の最寄り駅は,一応,栂・美木多駅となりますが,駅から遠い!
やはり,栂駅前から徒歩でとなると少なくとも30分弱はどうしてもかかりますし,バスも本数的にはあまり恵まれていません。
バス路線での最寄りバス停をまとめると次のような感じでしょう。
- 一の坂(特6・6・7系統:(横山高校前~)栂・美木多駅前~西区役所前or堺東駅前)
- 福泉中央小学校前(33系統or33-1系統:栂・美木多駅前~津久野駅前)
どちらのバス停で降りても,バス停からある程度の距離を歩かなければなりませんね。
日中ですと,6・7系統が1時間2本で33系統は1時間1本ではね……。
やはり,現在の敷地と比較すると,鉄道最寄駅からのアクセス性は非常に低下してしまいます。
市立博物館で展示ともなれば駅近の立地ですから話は違ってくるのですが……。
あらためて,資料館の開館情報について
- 入館無料
- 開館時間:午前10時~午後4時30分(ただし,入館は午後4時までに)
- 休館日:月・火曜日
余談(その1):資料館のデザインは実は有名建築家
この泉北すえむら資料館の設計は,槇文彦氏によるものなんですね。槇文彦氏と言えば,多くの人にとっては国立競技場の建て替えに関する件で当初の国の決定に異議を唱えたことで有名ではないかと思いますが,それだけじゃないんですよね。
「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞された方なんです。
建築のデザイン関係を学んでいる人もそうでない人も,身近に槇文彦氏の建築作品の1つを実際に見て感じられる数少ない機会ではないでしょうか。
一応,次の書籍ですえむら資料館についても述べられてはいるとは思いますが。
槇 文彦
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建築デザインの勉強も兼ねて,閉館までに一度訪れてみることをお奨めします。
やはり現物を直接見てこそ,感じるものもあると思います。
余談(その2):堺市のハコモノ行政は何か変
昔からそうだという気もするのですが,近年の堺市政は妙にハコモノ整備に熱心です。さかい利晶の杜にも約35億の大金を投じたことは記憶に新しいでしょう(営業面でも毎年市から補助金をかなり支出)。
現時点でわかっている堺市のこれからのハコモノ計画は原池公園の球場整備計画,三国ヶ丘の新庁舎整備計画,美原の防災センターなど立地からして何だかなあ……という計画が多いです。
私個人としては市民会館の建て替えは,まだ評価できるとは思いますが,でも東京の良いホールとかから比べると何かパッとしないし,粋も感じません。
例えば,池袋の東京芸術劇場の大ホールは新市民会館の大ホールと席数はほぼ同じですが1席わざと減らしています(何でも,その1席分は音楽の神様のために取ってあるという粋な仕様)。
ちょっと話が脱線してしまいましたが,堺市のハコモノは健康福祉プラザとか,アクセス性がどうにも微妙だなあという感じの場所も少なくありません。
まあ,ミュシャ館に限っては,JR堺市駅近なのでアクセス性は悪くはありませんが,何でJR堺市駅なのか……。もっと人が集まりやすい場所あるんじゃないのかなあ……?
そういや,ちょっと警備面もザルっぽく,神戸ファッション美術館から借りて展示していた品を盗まれる大失態がありましたけどね……。
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2 コメント
コメントを記入この資料館は、元々は「大阪府立泉北考古資料館」でした。
返信を書く大阪府が維新府政になってから、文化嫌いの維新が、廃館を前提として堺市に「押し付けた」モノです。
元はと言えば大阪府政の問題だという点も、ご指摘お願いいたします。
泉北NT民なので,元が大阪府立であること自体は言われなくてもわかってます。
返信を書く移管に至った流れの最低限のことはWikipediaに書いてますので,ここでわざに触れる必要があるとまでは思っていません。
それと「維新が文化嫌い」というのは,いささかレッテル貼りが過ぎると思いますので,ご要望にはお答えいたしかねます。悪しからずご了承ください。
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悪しからず,ご了承ください。
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