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大学入試改革などに関する中教審第177号が出されました。
新聞報道などでもある程度報道はされていますが,内容を読んでみました。
高大接続改革として総論的な内容は書かれているのですが,各論的な内容では現場が苦労しそうだなと思うことも少なからず。
まず,多様な潜在能力・個性を輝かせようとするのであれば,まず幼・小・中を転換させなきゃいけないわけです。ちょっとずつ進んでいるのかもしれませんが,その実感はあまりありませんね。小・中・高の方は,以前のエントリでも取り上げた,今年の学習指導要領改訂の諮問が関連してくるのではないかと思われます。
それで,センター試験を廃止して新テストの「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入するとなっているわけですが,結局の話は個別試験とこの新テストと調査書あたりのドッキング判定が主流になるんじゃないでしょうか。
国公立大学に関しては定員枠が決まってますからね。私大は結構入試制度を変えてくるかもしれませんけどね。一科目(一芸)特化型の人にとってはありがたい制度変更になるとは思います。
ただし,この答申は現在の大学入試が二極化していることをあまり考慮しているとは思えなかったです。
新テストはまだ仕様が固まっていないですから,何とも言い難い部分はありますが,思考力・判断力・表現力を問う問題の回答形式によっては,今までのセンター試験とは違った問題点が出てくると思われます。
例えば,試験の採点の現場なんかがそうなのですが,記述問題が増えるほど採点者は頭を抱えやすくなるわけですよ。微妙な書き方だとどこまで加点するか,減点するかという問題が生じます。センター試験はマーク式で機械処理で済みますから,そんなことはないんですけどね(問題そのものに疑義が出てこない限り)。
文章記述式の問題があると採点ミスが出る可能性もないわけではありません。
それ以前に,多くの採点者を集めて育成する必要も出てくるでしょうし,守秘義務や何やかんやと考えなきゃいけないことは相当あります。
これは高校受験の社会科における話ですが,兵庫県立高校の社会の入試問題みたいに採点ミスを恐れてか,文章記述問題そのものを廃止してしまった自治体もあるんです(大阪の社会も以前よりは記述問題は減少してますね)。学習指導要領では自分の意見を文章で書けるようにということは書かれていたと思うのですが,採点作業も大変なわけで。
そういった現実面は,これからまた議論されるでしょうけどね。
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