国語が特に苦手な人向けの参考書の紹介(2017年7月26日追記)

8:48:00
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国語 参考書紹介
勉強が中学生に入ったり,中学受験コースに手を付けると急に勉強の内容が難しくなったと感じる人は少なくないでしょう。

特に,小学生から中学に上がって国語の文章が急に難しくなったとか,普通の小学生コースから中学受験コースに移行したもののレベル差が洒落にならないという現実に打ちのめされて,授業についていけなくなったなんていうことが少なからずあると思います。

読書量を増やすだけで国語は得意にはならない

国語を得点源にするにはどうすれば? と尋ねてもちゃんと答えてくれる先生はどれぐらいいらっしゃるのでしょうか(筆者からしたら少ないのではないかという気がしなくもありません)。

先生によっては「読書量を増やすといいよ」と言ってくださる方がいるかもしれません。
たしかに,読書量の増加は語彙力や様々な文章を読み慣れるという点ではありなのですが,読解のコツを掴んでおかないと効果はあまり期待できないのが現実だと思います。

塾講師は試験で得点を取らせるためのプロのはずですから,しっかり対応してくれるのが基本スタンスだと思います。
しかし,教員の中には,何となくという感覚で問題を解いている教員が隠れているのも否定できません。
というのも,塾によっては教科専任制を採用しておらず,本来,国語の指導ノウハウをあまり持ち合わせてない講師が国語担当という場合もあり得ます(それ以外にも,できる人は何となくの感覚で問題がスラスラ解けてしまうので,ある意味厄介……)。

それに,国語が本気で苦手な生徒さんですと,入塾試験をパスする段階でほぼ限界だという場合もあり得ます……。

そこで,今回は苦手意識を多少なりとも直せる可能性を秘めた国語(というよりは日本語かな?)の参考書を紹介してみたいと思います(他の参考書にも良書はあると思いますが)。

国語が苦手な人向けの参考書

まず,国語がとにかく苦手だという高校受験生は,小学校レベルに一度立ち戻って早急に小学校レベルの国語の内容を固めてしまうことが大切です。

そのためには,国語の試験問題を読解するにはどこに着目しておけばよいのかといった点や文章読解のコツや国文法の面で何を意識しておいたら良いのかといった点に結び付きやすいものを仕上げていきたいところ。

国語を得点源にするためには,基本的な文章読解のコツを会得しなければなりませんし,文法問題の基礎的な考えも理解しておくことが大切です。
したがって,日本語を基礎から見直せるものに取り組むことが良いでしょう。

そういう観点から,私は国語の苦手な人向けには次の参考書・問題集(4冊)をお奨めします。

出口汪の新日本語トレーニング〈1〉基礎国語力編(上)
出口 汪
小学館
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出口汪の新日本語トレーニング―基礎国語力編(下)
出口 汪
小学館
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出口汪の新日本語トレーニング 3 基礎読解力編・上
出口 汪
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出口汪の新日本語トレーニング〈4〉基礎読解力編〈下〉
出口 汪
小学館
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以上の4冊を半月~1か月ぐらいで確実に内容・コツを理解して消化していく形で仕上げるのが良いと思います。

ただし,4巻目のステップ20-5に関しては,文章の題材の面で難ありですから,ステップ20-5に関してはスキップすべきだと思います(というか,太宰治を選ぶのがそもそもどうなのかというところはあるのですが……)。

この4冊をこなしてから,中学受験と高校受験で方向性が変わってくることになります。
何で小学校レベルまで戻らなあかんねんと思う人もいるかもしれませんが,そういうつまらないプライドは捨て去ることが後々でジワリジワリと効いてくるでしょう。

ちょっと1冊あたりの単価は参考書の中でも高めですが,苦手意識を取り除くためにはこれぐらいは出費しても惜しくはないと思います。

中学生の人はこのシリーズで基礎力を付けて,それから中学生向きの参考書でさらに練習を積み重ねていくと良いでしょう。
中学受験の人は,さらに志望校向けの問題集に取り組んでいきましょう。

余談として,同じ小学生用に出口汪氏が書かれているものには,『出口汪の日本語論理トレーニング』シリーズもありましたが,これは各学年ごとに基礎編→習熟編→応用編という形で構成されており,合計で18冊ともなるので冊数的にきついですから推奨はしにくいです。

中学受験編

上の参考書を仕上げ終わった人は,第5巻(森鷗外「山椒大夫」)・第6巻(詩の読解練習)を仕上げていくことになるかなと思います。
その後は,塾のテキストや市販の問題集で会得してきた読解の手法を試して実績を挙げてみたり,過去問対策で根拠を見つけて解答を導き出す練習を行うことになっていくだろうと思います。

高校受験編

高校受験の方は中学受験編で紹介した第5・6巻を解く必要はありません。
上の参考書を仕上げ終わった人や,最初から基礎レベルは十分対応できるという人は,次の参考書あたりでより中学レベルの現代文読解力を磨いていくと国語の得点も安定して取れるようになっていくでしょう。

システム中学国語 論理入門編
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システム中学国語論理完成編
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評論・小説に絞って対策をしたいという場合は,上の出口氏のものを使わなくても良いかもしれません。
本来は大学受験向けなのですが,Z会の次の1冊なんかも有用でしょう。
Z会の大学向けの参考書としては珍しく,レベル的にも高校受験に対応ができる1冊になっています。文章も短くて使いやすいので,根を詰めれば割と短期間で現代文の対策はそこそこ進むでしょう(2017年7月26日追記)。

現代文の解法 読める! 解ける! ルール36
中西実
Z会 (2013-03-01)
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中学に入ると古文・漢文を学び始めることもありますので,古文・漢文が本当に苦手な人は次の参考書で慣れてみるのも一興でしょう。

システム中学国語古文・漢文編
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次の1冊は参考までに……。

システム中学国語 漢字・語彙編
出口 汪
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今回は国語が苦手な人向けということなので,ここまでにしています。
他には,次のような参考書・問題集もありではないでしょうか。
といったのも,人によっては合うかもしれません。
それと,システム中学国語シリーズでは冊数が多過ぎてお金がかかり過ぎるなあ……という人には,次の本のどちらかでも良いでしょう。

1.学研の文章読解対策問題集


2.出口汪氏の別の参考書

中学国語 出口のシステム読解―基礎から入試まで!
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もちろん,参考書や問題集は合う・合わないは人それぞれですから,書店でいったん実物を見てみるのも良いかなと思います。

大切な注意点(高校受験に関して)

次のことについては,学校の進度に関係なく自分で消化していかないといけません。
  • 漢字や単語・熟語,故事成語・ことわざは自分でどんどん暗記
  • 国文法は学校で渡されるワークブックがあれば,それを念入りに仕上げる
  • 提出物だけは内申点が絡むので,隙が無いように仕上げる
漢字や単語をはじめとする語彙力は国語の得点の基礎です。
こういったところは,自分でどんどんやって差を縮めるor付けていくことが大切です。
せっかく,文章読解の定石を身に付けていても,語彙力や文法などの実力が伴っていなければ宝の持ち腐れになってしまう可能性も無きにしも非ずです。

また,国文法は文法問題を解くために必要なのですが,深く理解ができていると文章読解にも応用が効いてきます(助詞・助動詞・接続詞など,文章読解で重要となるポイントがあります)。

提出物は,公立高校入試における内申点が関係してきますから,不用意な失点防止のためにもしっかり仕上げておきたいところです。

大阪府の公立入試の内申点中1・2の成績も内申に組み込まれますから,国語の苦手意識はできるだけ早めに取り除いておきたいものです。

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