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一昨日には,大阪府立高校で一般選抜入試が行われました。
・大阪府内公立高で一般選抜 平均倍率1.17倍(産経WEST)
このブログでは先日,特別選抜入試の社会科を2回にわたって分析してきました。
一昨日に行われた一般選抜の方についても,同じく数回にわたって分析を行ってみたいと思います。
なお,閲覧している問題は朝日新聞朝刊のレイアウトがいじられたものになりますので,体裁の分析については,私の推測が含まれている点をご了承願います。
体裁について
昨年と同様,社会科の問題・解答用紙の体裁はA3見開き(A4・2ページ分)で考えていくのが基本です。紙面の体裁は,おそらく表紙(裏面に解答用紙)1枚,中にA3・2枚(両面印刷でA面~D面,A4換算で8ページ)が折り込まれていると考えられます。
問題の組み方に関しては,昨年と大きく変化はないように感じます。
小問数・配点について
今年の一般選抜は,次のような感じになっています。分野 | 小問数 | 配点(点) | 内訳(小問別解答区分) | |
---|---|---|---|---|
大問1 | 地理・歴史・公民(国際) | 10 | 21 | 記号7,用語3,文章0 (15点,6点,0点) |
大問2 | 地理・歴史・公民(経済) | 9 | 22 | 記号5,用語4,文章0 (13点,9点,0点) |
大問3 | 歴史 | 11 | 25 | 記号7,用語3,文章1 (15点,7点,3点) |
大問4 | 公民(政治・経済) | 8 | 22 | 記号6,用語1,文章1 (15点,3点,4点) |
合計 | 38 | 90 | 記号25,用語11,文章2 (58点,25点,7点) |
なお,大問4(6)②は記号選択と文章記述のセット(完答扱いとするかどうかは各高校の裁量次第か?)ですが,こちらの分類では文章記述問題があることを重く見て,文章記述の方にカウントしています。
表1から言える昨年度との違いは,次の通りになるでしょう。
- 分野融合問題が2大問に
- 記号選択+用語解答の完答問題は消滅
- 完答問題はほぼ記号選択のみに
- 用語解答問題が6小問減,文章記述問題も1小問減少
- 完答問題はほぼ記号選択のみに
まとめてみると次の表のようになります。
分野 | 小問数 | 配点(点) | 単元別小問数・配点 |
---|---|---|---|
地理 | 10 | 25 | 日本地理:4小問(8点) 世界地理:6小問(17点) |
歴史 | 16 | 35 | 日本史:13小問(29点) 世界史:3小問(6点) |
公民 | 12 | 30 | 政治:7小問(18点) 経済:3小問(8点) 国際:2小問(4点) |
合計 | 38 | 90 |
なお,大問4(4)②は設問に用いられている内容的にも歴史に区分しても問題はないのですが,現行の教科書においては,人権に関する歴史は基本的に公民の方で扱いますので,公民の方に分類しています(この小問レベルならどこの歴史教科書にも書かれているでしょうけど……)。
今年度の問題の課題は,いろんな意味でバランスかな?
大阪府立高校の社会科の入試問題は,レベル的にも幅広い受験層での共通問題になっている以上,レベルをほどほどにしておかないといけないという点は理解できますが,解答形式別にみていけば,記号選択の割合が高かった点は好ましくありません。4小問が完答問題だったとはいえ,小問数ベースで約66%(配点ベースで約64%)を記号選択にゆだねるのはさすがにいかがなものかと思いました。
1つだけ作問者側に同情できる点としては,地理に関しては府内で採択されている各教科書会社ごとの内容の差が非常に大きい点は無視できないので,記号選択が増えるのは致し方ありません。
実際問題,地理では自治体内で採択されている各社の共通問題を作るのは採択されるメーカーが増えれば増えるほど選択肢がどんどん無くなっていってしまうので,冗談抜きで作問側の抱えるストレスは半端じゃないと思われます。
ちょっと話がそれましたが,記号選択に関しては,大問3の「秦」であったり,「国風文化」ぐらいは普通に用語解答形式にしておいた方が,もうちょっとバランスはマシだっただろうに……とは思いました(用語解答形式になれば,正答率が少々低下するかもしれませんけど)。
あとは,地理・歴史のバランスをもう少しばかりは縮めてほしいところではあります。
この点は次年度以降の入試問題ではぜひとも是正しておいてほしいですね。
最期に
各大問についての個別のコメントは,次回以降のエントリで述べたいと思います。ちょっと仕事が残っていますので,週明けちょっとぐらいは手が出せません。
次のエントリが書きあがるまで,しばらくお待ちいただければ幸いです。
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