学力テストについての社説などを読んだ感想

21:42:00
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学校 教室
全国学力テスト 大阪府の入試利用は疑問だ(社説:読売ONLINE)

案の定と言えばいいのでしょうか,大阪府の対応を批判する社説などが出てきていますね(4月の段階でも出ていたようなな気もしますが……)。

たしかに問題はあるけど……

大阪府の全国学力テストの入試への利用についてはは自分も賛成はできません。
その点は,以前のエントリにも書きました。
その時に指摘をした1点については,読売の社説も同様のことを指摘しています。
2、3教科の結果を用い、全教科を対象に評価する内申点を調整することにも疑問が残る。
2~3教科の成績で5教科の内申分布に枷がかけられるのはさすがにどうかと思います。ただし,この疑問というか批判は府知事や府教委その気になれば,次年度以降,問題を解消することは理論上可能です。

解決案にはどんなものがあるか?

大きく,解決案としては次の2つの方法が考えられます。
  1. 全国学力テスト以外に残りの2~3教科(英語・理科・社会)の独自の統一テストを作成して同日実施
  2. 9月に府内の統一実力テストを実施
まず,最初は「足りない教科があるなら補ってしまえ」という案です。次は下の節とリンクする話ですが,「2学期(9月頭)に府内の統一実力テストを実施する」という案です。
どちらかの手法で内申に枷をかけるのであれば,上の疑問・指摘は封じることが可能です。私としては2案の方がいいと思っています。

しかし,両案とも予算組みや作問~成績処理までの段取りを決めてしまわないといけませんので,スピーディーに動かなければなりません(特に,1案の方は今年中には段取りはすべて決めてしまって作問に取り掛からないといけないでしょう)。

厄介なのは,大阪府・市のW首長選が11月に控えているので,この解決策が取れるかどうかは何とも言い難いです。

本来の問題はこっちだ!

社説で問題視されたことよりも,もっと問題視しなければならないのはチャレンジテスト(中2・1月実施)と全国学力テストの実施時期(中3・4月)が近過ぎるということです。

また,中3の夏休みをどのように過ごしてきたかでだいぶ成績は変わるものです。これは,塾業界にいる(いた)方々にとっては,よくお分かりのことだと思います。
夏休みに本気で勉強した生徒さんは9月以降から成績が見違えるように変わるんです。

内申の枷をかけるのであれば,2学期の9月頭に府内で統一実力テストを実施していただいて,より実勢に近い成績評価が可能になるのではないかと思います。

内申点について

読売の社説では,府教委の対応の遅れも指摘されていました。たしかに今年は急にドタバタして決まった感がありましたから,そこらへんは否定できないところです。

私が思うに,他の都道府県で内申に絶対評価を採用しているからといって,大阪府が絶対評価を採用しないといけないかというとそうでもないと思います。ただし,相対評価は評価点数の分布割合が厳密に決まっているので,地域によって有利・不利が生じてしまいやすいところはネックにはなるんですよね。
高得点を取りやすい地域と取りにくい地域があるのはその通りですので。

絶対評価への移行で地域差をうまく排除したいところですが,絶対評価は担当の教員によってはえこひいきをしたり,信じられないレベルの下駄を履かせたりといった成績評価の悪用につながる恐れもあり得ますから,今後しばらくはちゃんと成績が評価されているかは要注視ということになるでしょう。

今後の成績評価で正しく絶対評価をし続けることができれば,大阪府内でも絶対評価は定着すると思いますし,恣意的な評価が乱発されて成績が信用ならんという状況になれば「相対評価ベースに戻すべし」という意見が強まることになるのかもしれませんね。

最後に

今回の読売の社説を読んで思ったのは,実施時期がせっついていることを何で書かないのかなということでした。紙面の都合上,字数制限はあるでしょうけど,そこを書かないと説得力が弱くなると思った次第。

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