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インフルで追試、35府県市に拡大 18年春以降の公立高入試(日本経済新聞電子版)
昨年の10月に文科省は,インフルエンザなどで体調を崩した生徒たちを対象とした追試を設けるよう通達を出していたとのことです。
上の日経の記事によれば,2017年度入試で追試が行われるのは9府県市とのことです。
この通達に関しては,他社の記事によれば,10月14日付で出されたとのこと。
体調不良の受験生を救済する目的での追試は良い取り組みだとは思うのですがね……。
ただ,この通達に関しては言いたいことがありますよ。
試験作問とかの実務日程を考慮できていないのでは?
まず,この通達に関しては,文科省側が試験作問の実務のことをわかっていて出した通達とは到底思えません。根本的なことを言えばね。
2017年度入試から各自治体が追試験を実施してくれという意図が文科省にあったとしたならと仮定しますが……
通達を出す時期が遅い!
2018年度入試からちゃんと実施してねという意図での通達なら,予算編成とかの時期や早期から準備できるよう時間をある程度用意してとなるので,良心的な通達だとは思いますけど……。
10月半ばなんて,たいていの自治体では次年度入試の実施要綱が既に発表されているはずです。
そんな時期に出された通達であれば,最初から追試を実施していたところでなければ,対応できないと思います。
受験生や各中学校・高校に向けての実施要綱をそこからさらに改定するというのは正直難しいですよね。
受験生のことを考えて追試を実施するにしても,入試日程をどこに設定するかとか,本試験と追試の扱いをどうするかとか,考えないといけないことがたくさんあるのです。
それに,通達が出された時期であれば,各自治体の教育委員会では人員を招集して試験作問の段階に入っている可能性が高いと思われます。
組版~校正であったり,素読み(難度が妥当かどうかとかファクトチェックとか)作業にはある程度の時間が必要となります。
校正や素読みはゲラ刷りを使って行われるでしょうし,万が一の入試問題漏えい時に備えて予備の問題も数タイプは作問しておかなければなりません。
そんな段階で,さらに追試をなんてことになれば,すぐに作問できる教科でなければパンクする可能性があります(もちろん予備の問題を追試に流用するという荒業はあるかもしれませんが,これもレベル差をどうするかといった点が絡めば,そのまま流用というわけにはいきません)。
大阪府は2018年度入試から追試を設定
インフルの受験生は別日程で追試 大阪、来年度から(朝日新聞DIGITAL)大阪については,朝日の記事が出ており,体調不良で試験当日受験できなかった受験生は別日程で追試を行うとのこと(2017年度までは当日の別室受験で対応)。
いずれ府教委から詳細が発表されるでしょうから,その際にはこちらのブログでも紹介していきたいと思います。
これは前のセクションで書きましたが,実際に調整しないといけない点は多岐にわたると考えられます。
具体例を1つ挙げるなら,日程調整は本試験から日が詰まり過ぎていては体調の回復には厳しいでしょうけど,かといって日程に余裕を持たせ過ぎてもいけません。
本試験と追試で日程が開き過ぎるなんて形になった場合は,追試組の方が直前まで勉強ができる分,有利になる可能性も否定できません。
特に本試験は新聞各紙がこれまでと同様の扱いを行うのであればですが,翌日には新聞発表で確実に見られます。
考えようによっては,追試組は教科によっては本試験を見て追試験での出題内容を絞り込んでいくことも可能ではありますよね。
絞り込みが全く意味をなさない教科もありますが,理科や社会はある程度まで絞り込みができる教科です。
他にも,入試に直接関係は無くとも次のセクションに書くような問題が生じてくる可能性もあり得ます。
追試は日程次第では副次的な影響が出るかも?
このセクションの話はいわゆる「たられば」の話になりますが,追試の実施日程がどうなるのかという点が,別の問題を引き起こす可能性も考えられます。現在であれば,大阪府立高校で入試が実施される場合,高校は入試日~合格発表あたりの期間は在校生であっても登校させてもらえません(入試前日あたりはどうだったかは不明)。
その間は当然クラブ活動もできません。
そうなってくると各高校で追試が行われることになった場合,在校生の登校停止期間はさらに追加される可能性が出てきます。
追加されるとさらにクラブ活動はこれまで以上の影響を受けてしまうでしょう。
この時期あたりは,高校によっては引退間際の追い込み練習の時期だったりします。
かくいう私も,高校在学時は吹奏楽部と他の音楽系の部活動に在籍しており,吹奏楽部は定期演奏会前の追い込みの練習時期だったなということが思い出されます。
しばらく練習ができないと,それまで維持できてたレベルを維持できなくなりますから,そこからのリカバーは大変だと思います。
こういった副次的な影響が2018年度入試からは出てくるかもしれません。
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