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[教科書] ブログ村キーワード
中学校の地理教科書分析,今回でその4に突入です。
今回は,「ヨーロッパ州」についてレビューを書いてみたいと思います。
順番はこれまで通り,東書→帝国→教出→日文の順で書いていきます。
東京書籍(東書)
- 地形に関する記述が少し弱いように感じました。代表的な地形はP.55の地図に書いてあるのですが,このページは飛ばされる可能性も少なくありません。フィヨルドについてはちゃんと触れられていますし,西岸海洋性気候に関係する北大西洋海流(暖流)や偏西風についてもきちんと太字指定をされて記されています。あとは国際河川(ライン川など)も昔の教科書ではド定番だったのですが,今は触れられていませんね。
- 農業についても地図込みで「地中海式農業」「混合農業」「酪農」などもよくまとめられています。
- P.56の民族問題関連の記述もP.58~59でまとめて記述したほうが良かったように思いました。
- 近代工業の発展についてはP.57で述べられていますが,ここで述べる必要があったかどうかは疑問です。本格的なヨーロッパの工業に関する説明(ロシアなどを除く)はP.60~61で述べられているためです。内容が分断されている感じでその点は微妙だと感じました。
- P.58~59で言語・宗教・民族・文化をおおまかに述べています。ここは簡潔にまとめられていると思いますが,ベルギーとかスペインあたりが独立問題を抱えている点は記してもいいのではないでしょうか。イギリスも一応はスコットランドの独立投票は否決されましたが,EUを離脱するかもしれないという動きもあります(以前に書いたイギリスの動きも参照いただけるとうれしいです)。
- P.60のEUの統合の動きは,地図で加盟交渉国も記しておくといいのではないかと思いました。ただし,上で述べましたが,イギリスも今後のEUの状況次第では離脱する可能性もあるので,注意が必要です。離脱する場合は,時事問題として出題される可能性が極めて高くなるでしょう。
- 工業は,地図をベースに学習することになるでしょうか。大昔に書かれていた「ルール工業地帯」は書かれていませんし,貿易港のユーロポートも記されていません。
- EUの統合の進展と人々の生活は内容自体に問題は感じませんが,太字指定の語句選定には疑問を感じます。ユーロスターを特別に太字指定の語句にする意味が理解できないです。どっちかというと英仏海峡トンネルとかを重要語句とすべきだと思います。
- 経済格差も地図付きで触れられており,その点は良く書かれていると思います。
- ロシア連邦は地図で良くまとめられていると思いますが,実際に指導されているかどうかは微妙なのかもしれません……。実際にロシア連邦を教えようと思えば,それなりの時間を消費するはずですし。
帝国書院(帝国)
- 地図で主な地形も示されていますし,西岸海洋性気候や地中海性気候なども述べられています。ライン川やドナウ川を国際河川として紹介しているのは良いと思います。しかし,難点もあります。P.59で「スカンディナビア半島には氷河にけずられてできた湖や湾が数多く見られます。」と書かれていますが,ここまで書くなら,なぜフィヨルドの語を示さないのかと指摘せざるを得ません。次に西岸海洋性気候の説明で北大西洋海流と偏西風がそれぞれ書かれていますが,太字指定の語句が何で偏西風だけなのでしょうか。これは理解しかねます。
- 文化・民族を2ページで上手にまとめていると思いますが,ゲルマン・ラテン・スラブなどは太字指定でもよかったのではないでしょうか。
- 産業は2ページでよくまとめられています。ここは東書よりもよく書けていると思います。
- EU加盟国間で共通していることや経済格差なども良くまとめられています。
- ロシアもP.69には記されていますが,扱いが微妙だなと思いますし,鉱工業が地図でまとめられていないのは内容的に寂しいです。
とりあえずはここまでとさせてください。
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