あらためて大阪W選挙を振り返ってみる

11:45:00
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選挙 投票箱
11月22日の大阪W選挙を振り返ってみたいと思います。

開票結果が出るまでは,かなり接戦かおおさか維新の吉村候補が若干不利だと考えていた人も少なくなかったと思います。

ところがどっこい,選挙終了とともに当確のテロップが流れるという良い意味で拍子抜けの事態。
結果としては,西成区の市議補選も含め,おおさか維新の全勝でした。

今回は維新が若年世代からの支持を集めた形にはなっていますが,どちらかというと対立候補の自滅点が大き過ぎたのかなあと思います。
5月の選挙結果を受けて,若年世代の危機感が煽られたかなとも思いますが,その点は大阪市選挙管理委員会の今後の集計・分析を待たなければならないでしょう。

そこらへんを振り返って書いてみたいと思います。

首長選では単純な共同戦線はダメ

課題が多いものは単に野合では解決不可

まず,知事・市長などの首長選は教育や経済・医療面,高齢者福祉,地域の交通など課題が多岐にわたるものです。
そういう点では,相当の部分で政党としての方向性や政策が一致していないと,選挙後の行政についてもちぐはぐになったり,放漫財政になりかねません。

今回の非維新の動きは完全に駄目なものだったと言えるでしょう。
特に大きなマイナスとなったのは,自民党と共産党が非維新であることの一点でタッグを組んだことにあります。

露骨な共闘であることを自民党の大阪府連とかは否定しましたが,柳本参院議員が共産党の集会に出てましたしね。柳本参院議員は自民党員としての最低限の矜持すらなかったのでしょうか?

5月の特別区設置構想(いわゆる旧来の大阪都構想)の住民投票は1点のみの話でした。この点においては非維新が野合してもそんなに問題はなかったわけです。
しかし,首長選でそれが通ると思ったら大間違いだったということです。

非維新の共闘作戦は共闘内部の反発を考えていたのか?

非維新としては5月の住民投票の得票数をベースに共闘作戦で維新を倒すしかないと考えたのでしょう。

考えてみればすぐわかると思いますが,生粋の自民党員や生粋の共産党信者がお互いに共闘できますか? 背に腹は代えられない状況だったとしても,最低限の矜持が持ち合わせていれば,どう考えても無理なわけですし,禁じ手です。

共産党側は「自主的な支援」だと言ってましたが,こんな状況を「野合・談合・寄り合い的体質」と言わずに何といえばいいのでしょうか?
まあ,共産党が来年の参議院選に向けて大阪自民の評判を落とすためにわざと勝手連的に抱き付いたのであれば,共産党内部には相当な策士がいたということになるのでしょうが……。

他にも,太田元知事や平松元市長や民主党やSEALDsとかが支援すればするほど,「駄目だこりゃ」って思うのは至極普通のこと。
共産や民主党が信用できないから自民を支持してるのにって人は少なくないのに。

そういう点で,今回の投票率が伸び悩んだのは,こんな共闘が馬鹿げてるとか白けてしまって投票を棄権した人が少なくなかったのでしょう。

それぞれの政党の支持者・組織の人だって思うところはあるはずです。
お互いに「あんな連中とは組みたくねえ」と反発して支持してくれるであろう層から零れ落ちてった人たちは多かったでしょう。

そういう点でも単純な足し算は目論見が甘過ぎたと言えるでしょう。
他にも維新が府市で統一公約を出してきたことに対して,大阪自民系の候補はバラバラで足並みが統一できなかったことも大きいのですが……。

若年世代をツケを背負わせようものならこれからは反発される

特に,大阪市長選の敬老パスの無償化案は最悪の一手だったかなと思います。私が思うに,あれで若年世代の恨みを一気に買ったのではないでしょうか(「また,高齢者だけ過剰優遇かよ!」という意味で)。

敬老パスは差額分を税金で補てんする制度ですから,このツケは若年世代が背負わされるのは自明です(1乗車50円で済むなんて贅沢の極み)。
そもそも,制度開始時に無料で始めたのが大失敗だったのですが。

また,無償化する場合は既存のシステムを改修しなければなりませんから,そっちで多額の費用がかかることは大阪市会でも指摘されていました。

これからが正念場

議会運営は大変

少なくとも,おおさか維新はこれからが正念場です。議会で第一党とはいえ,過半数を取れていない少数与党です。そこが,維新のウィークポイント。維新が統一地方選で過半数を獲得できていれば,府政・市政改革はもっとスムーズに進んでいたはず。

今後の対立政党との妥協点探りが大変だと思いますが,全政党とも公務員の利益よりも大阪の地域の利益を考えて行動することが必要です。

そこを見失うと,次の地方選挙で負けますよ。

次は参院選・堺市長選

おおさか維新にとっては,来年の参院選・2年後の堺市長選が総力戦になっていきます。
12月で退任される橋下市長は表舞台をいったん退くとはいえ,各地を回って参院選の議席を増やしたり,堺市長選に向けて堺の維新市議団の引き締めや支持の拡大を図るために積極的に動いてもらいたいものです。

大阪自民を再建するには?

大阪自民は解体的な出直しが必要でしょう。少なくとも,維新に出て行かれたという怨恨の面がまだ少なからず残っているかもしれませんが,そこを拭い去らないと次のステップに進めません(党本部と大阪自民の距離感も同じ政党とは思えません)。

しょうもない人を徹底的にまともな新人に入れ替えて,解体的な出直しをやらないと信用回復はままならないでしょう。

大阪会議を提唱しながら,2回目の会議で早くもすっぽかした「前科」がありますから。

あとは,応援演説をするにしても受けのいい人を連れてこなきゃ駄目ですよ。
TV報道なんかによると小泉議員には応援演説を断られたらしいですね(共産党と組んでちゃまともな議員さんは来ないのは当たり前)。
二階総務会長とか谷垣幹事長は党本部の重役という立場上来ないわけには行かないのですが,若年世代には極めて受けが悪いんですよね。

余談:国政では対極に近い政党同士の連立政権もあったけど……

歴史上では,国政でかつての自・社・さの村山内閣といった離れ業もありましたが,あれは自民のハト派と社民が妥協ができたからこそ成り立ったようなもの。
社民は現実を見て自民側にかなり歩み寄りましたが,共産党はそんなことはまずあり得ません。

共産党も安保法制の成立以後,国民連合政権構想を打ち出して現実路線的なことをほのめかしてはいますが,ぶっちゃけ信用なりません。

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