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府と市のテスト問題の公開あたりの対応の違い
大阪府と大阪市の対応が違うことは,これまで政治なんかでも様々なことにおいてよく見られてきました。実力テストの問題公開においても,大阪府教委は秘匿はあってもきちんと公開されますが,大阪市教委の方はそうではありませんでした。
そこらへんを2つのエントリにまたがって書いていきたいと思います。
今回は,大阪市教委による大阪市統一テストの問題非公開とその理由について取り上げます。
大阪府は問題を公開
大阪府の中学生チャレンジテストは,先日のエントリで記事にしたように,昨年と同様の形で問題用紙と解答が公開されています。どうやら,社会科の方は問題の方に誤解を招きかねない表現があったようで,1小問だけ解答をやむなく2つ正解にしているところがありましたが……(この件については,後日の分析記事にて詳細を記したいと思います)。
一方で大阪市統一テストは非公開(というか「非存在」らしい)
大阪府がチャレンジテストの問題を公開している一方で,大阪市が昨年の10月に中3生を対象として実施した大阪市統一テストについては,ずっと非公開の状態が続いています。筆者としても,この統一テストの試験問題については大いに興味があったので,大阪市教委に「問題と解答を公開する予定はあるのか?」「公開しない場合は情報開示請求を考えているが,その場合の担当部署はどこになるか?」ということを市のHPから問い合わせてみたのですが,市教委からの返答は失望させられるものでした。
返答文の引用についての許可は得ていませんので,返答の要点を記載しておくと次のような感じになります。
- 問題の作成~実施までは丸ごと委託先の東京書籍が担当,よって大阪市は問題一式の実物を持っていない。
- 実物が無いので,情報公開請求をしても問い合わせのあった文書は「非存在」で開示はできない。
本当は実物を所持しているものの「非存在」として返答してきたのかもしれませんけど……。
大阪維新の会の市議の先生方は,ここ市議会で突っ込んでみてもいいのではないでしょうか? 「非存在」ってのはさすがにねえ……?
用紙の現物が無いってのは,さすがにお粗末
今年度の大阪市統一テストは,最初の競争入札が不調でした。その後,随意契約で東京書籍に試験問題の作成~実施など一式を急ぎで発注しています。だからといって,刷了になった問題一式の最低限の部数を問い合わせや情報公開請求などに備えて市教委にストックすることを考えておかなかったというのは,市教委の怠慢だと非難されても仕方がないのでは? と考えます。
万が一,市教委に市民や民間教育企業などからの問い合わせがあったとしても,問題一式が無いのであれば,対応なんてできっこないですね(実際には,保護者から各中学校へ問い合わせがあるでしょうけども,民間教育企業からの問い合わせとなると,教育委員会へ直接話が行くことがあってもおかしくはありません)。
こんな状況では「市教委はまともに対応する気が無いのか?」と思われても致し方ないのではないでしょうか。
大阪市教委の姿勢は消極的に思えますし,残念でなりません。
今後の吉村市長の下でこういった消極的な対応あたりにもしっかりとメスが入ることを期待したいですね。
継続実施するならぜひとも問題一式のストックは必須
府教委と同様に問題用紙と解答は最低限の部数は市教委で保管しておくべきだと思います(紙ベースかデータかは問わず)。該当する年度の中3生の実力を計って「はい,お終い」では統一テストの価値をフルに活用できていません。どのような問題を出題したらどのような回答率になったのかなど分析資料とセットで今後の問題作りなどにしっかりと活用されなければ意味がありません。
他にも,問題と成績分析をネット上で公開することで,試験問題として妥当な内容だったのかを市民など外部の目線でチェックすることが可能になるはずです。ネット上で公開とまではいかなくても,せめて情報公開請求で開示できるようにはなってもらわないと!
もちろん,国語の引用文や社会科あたりの写真関係で秘匿処理するべきところは秘匿する必要はあるでしょうけど……(ここらへんの権利処理にはどうしても実費がかかりますから)。
(次のエントリに続く)
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