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今日は,京都府立高校入試の試験日でした。
京都新聞では例年,HP上で入試問題を公開しています。
今日の試験の問題が,HPで公開されましたので,分析をしてみたいと思います。
前期の方でも社会科を出題している高校もあるのですが,問題が一部しか公開されていないようなので,コメントは割愛させていただきたいと思います。
基本的に体裁や大問構成は例年通り
ただし,お!? と思わせる設問もところどころに見受けられました。
その点については,次以降で触れたいと思います。
気になった問題
気になった問題は様々ありますが,大きくは次の設問になるでしょう。
- 大問1(3):アフリカ大陸の西部~ケープタウンあたりまでの海岸線の作図
- 大問1(4):国連加盟国数の推移からの各州の判断
- 大問2(5):ヤルタ会談,ソ連の対日参戦の時期
- 大問2(6):需要・供給曲線の読み取り
- 大問2(7):地形図の読み取り,面積計算
- 大問2(10):統計資料の読み取り
それでは,上の各設問に触れてみたいと思います。
大問1(3)・作図問題について
京都府立高校(中期)社会科では毎年,作図問題が出題されています。
今回の作図問題は,作図問題の中でも意表を突かれる設問だったかもしれませんが,資料1の地図を見れば,ほぼ答えは分かったも同然です。
難易度的には大したものではなかったと言えるでしょう。
大問1(4):各州の判別について
これは,東京書籍の教科書だと歴史,日本文教出版の教科書では公民と扱う教科書が異なっているちょっと厄介な問題でした。
この問題を解くカギは,年表中の1960年の「アフリカの年」と,1991年のソ連崩壊です。
この2つのできごとに着目できたかどうかによります。
大問2(5):各州の判別について
ソ連の対日参戦は1945年8月8日に宣戦布告,9日未明から戦闘開始ということでした。
選択肢次第では,かなり厄介な問題になっていたでしょう。
1945年あたりのできごとは1日単位で物事がかなり動くことになりますので,前後関係をしっかりと把握しておきたいところです。
大問2(6):需要・供給曲線の読み取りについて
需要・供給曲線の読み取りとしては標準的な問題でしたが,ポイントは解答形式にあります。
ごくわずかの文字数とはいえ,近年の京都府立高校入試(中期)の社会科には珍しい文章記述に近い形式でした。
次年度にも似たような解答形式の設問が再び出題される可能性があるかもしれません。
大問2(7):地形図の読図について
京都府立高校(中期)の社会科では,地形図の読図問題は毎年確実に出題されている定番の問題です。
ⅰ群については,cm単位のそれぞれの長さを5万倍してkm単位に換算し,面積を計算するのが早く確実な手法でしょう。
別の解法としては,先に平方センチメートル単位での面積を出しておいて,数学の相似比・面積比の考え方でかたずける方法もあります。
しかし,数字が大きくなり過ぎて逆に単位換算を間違えやすい点で危険ですからおすすめできません(5万×5万で25億倍ですから,単位がこんがらがりやすいので要注意です)。
大問2(10):統計資料の読み取りについて
この問題は,問題に使われている数字でそのまま計算すると時間をロスするだけです。
概数を使うことで,多少の誤差は出ますが,あたりを付けるというか計算を簡略化することが可能です。
例えば,北海道のデータでは115万6千haの面積は116万haに,戸数は大雑把すぎますが5万戸として計算をすれば,23.2ha/戸(正確に計算すれば四捨五入して22.6ha)として手早く傾向を掴むことができます。
もちろん,数字の扱いに慣れていれば,今回の設問に関しては感覚的に絞り込みはすぐにかけられるとは思いますが,概数という手法があることも頭の片隅にあると,いざというときの時間稼ぎにはなるかもしれません。
次年度以降の対策
参考書
前期で堀川などの難関校を受ける場合は2学期終わりぐらいまでに,中3内容も最後まで消化してしまい,その後に始まる私立対策と並行して本格的に過去問の練習を始めるとよろしいのではないでしょうか。
中期対策は,私立対策で合格最低点を安定して超えられるようになるなど一定の目途がついた段階から徐々に始めると良いでしょう。
過去問集は,今年度用のものはまだ書店であるとは思いますが,早ければ今年の5~6月から随時,英俊社さんから2017年度入試対策用のものが出版されていくと思いますので,そちらの発行を待ってからでよいかなと思います。
模試で京都中期型に慣れよう
京都府立高校対策の模試としては,大阪の五ツ木の模擬テスト会でおなじみの五ツ木書房が実施している五ツ木・京都模擬テスト(旧北大路模試,以下,京都模試と略記)があります。
京都模試は京都府立高校(中期)の体裁・難易度を意識して作問されていますから,京都府立高校の傾向に合わせた訓練としては打ってつけでしょう。
もちろん,志望校によっては前期の上位・難関校や私立高校への合否判定を考えれば,同じ五ツ木書房の大阪を中心として実施される五ツ木の模擬テスト会の方が向いている場合もあるでしょう。
そのあたりについては,志望校を考えて判断すると良いかなと思います。
もちろん,塾に通っている場合は,塾側が判断して受ける模試を選ぶ形になるでしょう。
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