【2016年度入試】三重県後期・社会科入試問題分析:その1

14:54:00
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三重県 県立高校入試
これまで,今年実施された近畿圏の公立高校入試問題(社会科)を分析してきました。
今回から2回にわたって三重県後期入試の社会科を分析してみたいと思います。

入試問題は,三重県教委HPからダウンロードすることができます。
ただし,国語は引用文の著作権の関係等で公表されていませんので,その点は悪しからずご了承ください。

体裁,配点・出題傾向について

体裁について

入試問題 体裁 分析
A4折の12ページ構成(うち,問題に10ページ)という構成ですから,三重県の入試の体裁を例年通り踏襲しています。

配点・出題傾向について

配点については,各小問1点か2点の配点で50点満点形式を採用しています。

2016年度後期の社会科は,次のような設問別小問数(配点)となっており,用語記述・記号選択が合計で8割弱を占めていることが読み取れます。
  • 用語記述:11小問(22点)
  • 記号選択:16小問(16点)
  • 文章記述: 6小問(12点)
ここらへんも,例年と大差ないように思えます。
以前は,もう少し文章記述問題の小問数は多かったように記憶していますが……。

各分野別については,次の通りにまとめられます。
  • 地理:2大問・12小問(18点)
  • 歴史:2大問・12小問(18点)
  • 公民:1大問・ 9小問(14点)
というように,ほぼ3分野均等に近い形(ただし,公民は少し少な目)という状況になっています。

大問1について

日本地図 三重県
大問1は,太平洋ベルトと三重県をはじめとする5都道県それぞれに関係する知識を問うものでした。

難度としては,基礎~標準レベルの良問ですし,資料の体裁が少し変わっていたようには思いますが(6)も関東地方の昼間人口と夜間人口についての文章記述問題としては,ド定番のものだったと言えます。

棚田の用語解答については,教科書差が出るかも……?

棚田
ただし,(5)については何で棚田を用語解答にするのかなあ? と思いました。
その理由を,次に述べます。

まず,背景として三重で採択されていた地理の教科書は,平成24年度の採択表(三重県教委HP)を参考に考えると,帝国書院(以降,帝国と略記),日本文教出版(以降,日文と略記),東京書籍(以降,東書と略記)の3社です。

日文はP.183とP.257に棚田の写真がキャプション付きで掲載されており,特にP.257では「棚田」の語を太字指定の語として書いています。
東書は,P.162の九州地方で「棚田」の語を太字指定の語として書いています。
しかし,帝国の方はちょっと状況が異なります。P.232の方で枠付きで棚田の保全取り組みについて記されていますが,体裁的にもオフトピックめいた書き方なのです。

たしかに,3社に共通した書き方とはいえ,帝国がオフトピックめいた書き方だったわけですから,学校によってはすっ飛ばして指導していた可能性もあったのではないでしょうかね……。

そういう点を考えると,(5)については採択された教科書による有利・不利が出たかもしれません。

日文と東書だけ準拠の入試であれば,棚田の出題には何の問題もないと思いますけど。

大問2について

世界地図 世界地理
大問2は,大きな世界地図をドンと提示して,代表的な数か国に関することがらと日本の貿易の特色の変化についてを問うものでした。

難度としては,標準~やや難あたりでしょう。
やや難かもという理由は,文章記述が2小問(とはいえ,両方とも難度は高くないです)と時差の計算を要する1小問があることによります。

時差の計算は,ブラジルの現地時刻から日本の日時を計算するといういつもと逆のパターンです。

2都市間の経度差を求めていくのですが,この手の西経~東経にまたがっている場合は,必ず本初子午線(経度0度)を経由させて経度差を求め,15で割って時差を求めます。数式にすると次の通りになります。
(45+135)÷15=12(時間)

ここで求めた時差をどうするかなのですが,基本的には次のことを意識しておくと大丈夫です。
  • 東経の都市の日時がわかっていて西経の都市の日時を求める場合→時差を引く
  • 西経の都市の日時がわかっていて東経の都市の日時を求める場合→時差を足す
今回は,西経の都市の日時が分かっていて,日本の日時を算出する場合ですから,2016年8月5日午後6時を12時間進めて,2016年8月6日午前6時と求められました。

大問3以降は,次回にコメントをしていきたいと思います。
それでは,今回はここまでとします。

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