中1・中2のチャレンジテストが実施されるも……(その2)

15:30:00
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ミス 大失態
前回に引き続き,チャレンジテストに関する困った話題を紹介したいと思います。
前回で紹介した大量欠席問題だけにとどまらなかったようです。

学テで未履修範囲から出題 枚方、箕面の市立中、当該問題を削除(産経WEST)

中1のチャレンジテストで未履修部分があり,該当部分を除去して実施した中学校があったとのことです。
教科は違えど,教科書会社は両市とも東京書籍でした。
  • 枚方市のある市立中:英語(東京書籍)
  • 箕面市のある市立中:数学(東京書籍)
記事によると,原因は教員の範囲確認を怠ったミスだそうです。
記事では範囲確認ミスという形でやんわりとしか書いてありませんが,その実は明白な進度遅れといって差支えはないのではないでしょうかね?

範囲確認ミス=進度の遅れと考えてよい

授業 講義
この話から言えることは,それぞれの市立中で進度が遅れていたのだろうと推測するのが筋でしょうね。
というのも,配当学年や単元を入れ替えての指導というのは中1段階では現実的に考え難いからです(理科の1・2分野の切り替えや社会の地・歴の切り替えタイミングがずれるならともかく……)。

これが高校数学であれば配当学年・内容を入れ替えて指導されるのは否定しませんが……。
昔の話ですが,私が通っていた高校では高校数学では二次関数とか式の計算の段階で複素数の範囲を持ってきたり,三角比の直後に三角関数を履修する形で履修内容を入れ替えて指導されていたなあということを思いだしました。

さて,少々脱線してしまいましたが,本筋に話を戻します。
府教委も学校の教科指導で多少の遅れは出やすいことはわかっていますので,各教科書会社の見本進度よりも多少は緩めの出題範囲を提示しているはずなのです。

数学を事例にしてみて

府教委が生徒向けに配布したリーフレット(PDF)では,出題範囲は平面図形(扇形は除外)までとなっています。

一方で,東書の年間指導計画(PDFファイル)は,12月の段階で空間図形へと突入するカリキュラムとなっています。
東書の年間指導計画見本を考えれば,リーフレットの出題範囲はおおよそ2学期末テストの範囲までを想定してということになっているようです。

もちろん,この計画見本通りに進めようとすれば,そこそこテンポよく進めていかないといけないのではという気もします。
実際の現場では学校行事(体育祭や文科系の発表会や観劇・遠足など)あたりでそこそこの授業時間は潰れるのは間違いありませんから,指導状況に多少の遅れが生じるのはしょうがないのです。
ですが,多少のズレを折り込んだところで,未履修が生じているのは明らかに指導進度がかなり遅れていることに他なりません。

試験作問側からしたら……

中1はどうしても中学での学習内容がまだまだ少ないため,試験難度を調整するためにはある程度は広めの出題範囲設定をしておきたいのは作問側として譲れない一線でしょう。
例えば,中1の英語とか最初はとにもかくにも簡単なレベルですからね(最初あたりの定期テストなら90点台が当たり前のような内容でしょうし)。

中2あたりからは,中1に比べて内容が本格化してきますし,中1内容+中2内容で出題できるようになる関係で試験の作問にもある程度の余裕が持てるようになってきます(使う知識の組み合わせ方次第で難度はかなり変わってきますし)。

ちなみに,教材会社が中学校向けに販売しているテスト問題なんかは進度の遅い中学校でも使えるよう,ある程度出題範囲に余裕を持たせて作問されていることが多いはずです。

最期に

ニュース記事では,範囲確認ミスとやんわりと書かれていますが,実態は学習進度が想定以上に遅れているという状況です。

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