スポンサーリンク
[大阪府中学生チャレンジテスト] ブログ村キーワード
はじめに
今回は大阪府中学生チャレンジテストの分析シリーズの第4弾となる,中2社会C問題の分析を掲載したいと思います。問題のファイルは府教委HPからダウンロードすることができます。
最初に余談
今回は,大阪府教育委員会に紙ベースの情報公開請求を行って,写真がどのようなものかを確かめたかったのですが,紙ベースで交付されたものは,写真が秘匿されてました……(ノ∀`)アチャーインターネット上に公開されるときに秘匿されるであろう肝心の写真がどんなものかを見たかったのに……。実費をどぶに捨てたようなもんですよ……orz
大問の単元構成
中2社会Cの大問の単元構成は次に示す通りです。A問題と半分強の問題が共通問題となっています。- 地理:身近な地域の調査(地形図の読み取り)
- 歴史:世界の古代文明,日本の古代
- 歴史:日本の中世
- 歴史:宗教改革・大航海時代,日本の近世(一部はA・B問題と同じ)
各大問の分析
大問1
大問1は,北九州の「八幡(市)」の地形図(2005年版・1926年版)を読図する問題です。全体的な難易度としては標準レベルと言えるでしょう。
地形図読み取りとしては(1)・(2)が基本レベル,(3)は標準レベルですから,なるべく正解しておきたい問題です。
(4)は「田や針葉樹林,広葉樹林などが減少し,建物が増加している。」という回答例が正解者の大半を占めるでしょうか。
大問1の問題点
(4)については何ですが,中学生では荒れ地の地図記号を覚えている生徒ははっきり言って少ないでしょう。荒れ地は地図記号の中でも重要度が低いはずですし,建物の地形図での表記方法まで意識させられるか,回答させられるかはちょっと疑問ですね。回答できる生徒はいるのは確実ではありますが,問題の質から言えば良くはないでしょう。
元の問題をなるべく活かして改善するとすれば,(4)の正答例を(3)のウの選択肢と置き換え,(3)のウの選択肢の内容を記述問題の解答となるように設問を用意する方が適切だったでしょう。
大問2
難易度としては概ね標準レベルですが,年代整序の問題2小問は難度が少し高めと言えるでしょう。
(1)の2問が世界の古代文明に関する問題,(2)が日本の古墳時代までの人々の生活史,(3)が飛鳥時代の政治,(4)が奈良~鎌倉時代の経済史,(5)が平安時代の摂関政治ころの政治と文化についての出題でした。
大問2の問題点
まず,各班のテーマは最初に一覧を表であらかじめ示した方が,大問としての体裁が良かったのではないかなと思います。テーマ一覧を示しておかないと各中問ごとの脈絡が無さ過ぎるのが気になるんですよね。
(5)②は,選択肢を古代の範囲内でまとめられなかったでしょうかね。ちょっと時期がせっつきますが,「最澄(or空海)が中国から新しい仏教の宗派を持ち帰った。」とか書きようはそれなりにあったはずなのですが……。
大問3
難易度は標準レベルです。この大問の題材とされた人物は,白河天皇,平清盛,源頼朝,フビライ・ハン,足利義満,足利義政の6人でした。
大問3の問題点
まず,問題を解く分には影響しないのですが,(3)のウで「広隆寺の弥勒菩薩像」という選択肢がありますが,これは選択肢(文字ベース)としてそもそも書いてはいけないものです(画像で出題するならありですけど)。
その理由としては,日本文教出版の歴史教科書では,広隆寺の弥勒菩薩像の写真そのものは掲載されていますが,「弥勒菩薩像」の語は書かれていません。私の手元にある日文の歴史教科書には40ページに単に「飛鳥時代の日本の仏像」として紹介されています。
問題の作問時に各教科書の用語チェックを怠ったと言われてもしょうがないのではないでしょうか。
(9)のウの選択肢も江戸時代のものなので,大問2で指摘した件同様,同じ時代の範囲内で選択肢を用意した方が良かったのではないでしょうか。惣での自治などで選択肢が書けたはずです。
大問4
難易度は標準レベルです。最初の年表1はA問題の部分抜粋で(1)~(6)まで設問がありますが(1)がA問題と共通問題です。年表2の方はA問題の部分抜粋をベースとしつつB問題の一部を含んでいます。(7)~(11)まで設問がありますが,(8)~(10)はA問題と共通で(7)・(11)もA問題を一部改編しただけで解答内容は変わらない問題でした。
年表を切る必要はなかったのではないかとも思いますが,設問が数ページにまたがっている以上,年表を2つに切るのもやむを得なかったのでしょう。何回もページをめくったりさせるのは生徒には酷ですからね。
全体的に
A問題・B問題と同様に標準的な問題が多く出題されていました(共通問題もあるので当然と言えば当然でしょうか)。もうそろそろ成績が返却されているころだと思います。納得のいかない成績だった人・結果がボロボロだったという人は春休みが終わるまでにあらかじめ復習を行って,苦手な科目・分野・単元を潰しておきましょう。
大阪府の来年度の公立入試までほぼ1年となっていますし,3年からは内申点も無視できませんし,今まで3教科での実施だった専門学科の入試も今年までと異なり,ほぼ5教科での入試が行われる流れです。日ごろの活動状況も内申書に記載され,大阪府立高校入試においては無視できないポイントとなります。
社会だからといって甘く見ないことが大切です。むしろ,社会を早めに完成させておいて,残りの教科に時間を注げる余地を作ることを意識してくれればと思います。
あとは,作成側の方へ注文というかお願い。よく問題と教科書の内容をすり合わせなり内容のチェックなりを徹底してほしいなと思います。教科書間で有利・不利が発生してはまずいのですから。
最後に
先日,大阪府中学生チャレンジテスト中2社会A・B問題の分析を3回にわたって書かせていただきました。そのときのチャレンジテストの分析に関するエントリは,次の3つです。
今回のエントリで興味を持っていただけたようでしたら,併せてお読みいただければ幸いです。
これにて,2014年度の大阪府中学生チャレンジテストの社会科の分析は完了となります。
ちょっと時間がかかり過ぎた感がありましたが,ご容赦のほどを。
興味を持っていただけたようでしたら,下の3つのバナーのそれぞれをクリックしていただけたら幸いです。また,他のブログを探す一助としていかがでしょうか。
スポンサーリンク
スパムコメント防止の観点から,単語入力確認を導入しています。
悪しからず,ご了承ください。
また,感情アイコンは次のボタンをクリックして,コードを確認の上,ご利用ください。
感情アイコン感情アイコン