【2016年度入試】和歌山県社会科入試問題分析(一般選抜)その1

18:03:00
スポンサーリンク

和歌山 一般選抜 県立高校入試
ようやく仕事が一段落ついたので,近畿圏の今年の入試分析を再開したいと思います。
とはいえ,奈良は公開されるまでに少々時間がかかると思いますので,和歌山県と三重県を書いて,しばらく公開待ちということになるかと思いますが……。

それでは,これまで通り,体裁などから分析をしてみたいと思います。

なお,入試問題については,和歌山県教委のHPで公開されています(国語は著作権の点で非公開なのも例年通り)。

体裁について

体裁 分析
和歌山の問題用紙の体裁については,例年のもの(表紙1ページ,問題7ページの計8ページ)を踏襲しています。

出題傾向について

小問数は6小問減少

さて,出題傾向の方についてですが,昨年の入試に比べて小問数は6小問の減少でした(42小問→36小問)。

特に,文章記述問題は9小問(計25点)から6小問(計22点)へとかなり減少しました。
小問数の減少という点では1小問あたりにかけられる時間は増加していますので,今年度入試の難易度は易化したと受け取っても良いかもしれません。

今年の点数配分について

  • 地理:12小問・計34点
  • 歴史:12小問・計34点
  • 公民:12小問・計32点
というように,3分野とも均等な小問数・点数になるように作問されています。

一方で解答区分別に分類してみると次のようになります。
  • 用語解答問題:16小問(計46点)
  • 記号選択問題:14小問(計32点)
  • 文章記述問題: 6小問(計22点)
用語解答・記号選択で約8割となっていますが,文章記述も2割強あります(昨年は4分の1が文章記述問題の配点でしたが……)。
上位校を受験した場合は,記述問題の得点率が合否を分けたのではないでしょうか?

それでは,次以降は各大問の気になった問題についてコメントしていきます。

大問1について

オリンピック 五輪
大問1は,オリンピック・パラリンピックを題材とした世界地理の問題でした。
和歌山は以前から,テーマを設けた大問は定番でした。

以前は大問1は分野融合がよく見られた大問でもありましたが,ここ数年は地理単独の大問が定着してきているようです。

気になる問題についてですが,問2・3・6でしょうか。

問2について

問2は,中南米でスペイン語が公用語となっている国が多いのはなぜかという問いです。要は,「長期間,スペインの植民地であったから。」と書ければ満点になるでしょう。ただ,模範解答は何で植民地の語を避けたのでしょう? そっちの方が妙に気になりました。

問3について

問3は,オゾン層の破壊(同意表現可)を答えさせる問題です。紫外線→オゾン層の話だと連想できたかどうかだと思います。
南極を題材にして,オゾンホールの画像を使えばもっと簡単な設問になっていたとは思います。

問6について

問6は,都市と気候を見分ける問題です。アがロンドン,イはモスクワ,ウはローマ,エはカイロでした。まず,降水量が極めて少ないエをカイロ(砂漠気候),夏が高温になるにつれて降水量が減少するウをローマ(地中海性気候),冬と夏の気温差でイをモスクワ(冷帯)と判断できたかどうかでしょう。

もちろん,西岸海洋性気候(年中の気温が穏やかで降水量も一定)からアを直接導き出すのもいいですが,ややこしい雨温図が出てくると大変ですから,問6のような設問はなるべく消去法で解答を導き出すようにすることを推奨します。

大問2について

広島県 路面電車
大問2は,日本の路面電車を題材とした日本地理の問題でした。
難度的には,大問1より厄介だったと思います。

気になる問題は,問4・5だと思います。

問4について

まず,問4(1)は,まさかの北上川の河川名の記述解答でした。山形は別で使ってるから最上川が出せなかったのかな? とは思いますが,この小問でファッ!? となった人は多かったかもしれません。

さらに(2)が追い打ちですね。
写真で目立つ特徴は採点例通りなわけですが,ちょっと意表を突いてきた問題でした。

「自然環境に着目」と書かれている点から,地形的な問題か気候に関する問題かのいずれかとなります。山形県は日本海側の地域ですから,おそらくは冬の降雪対策だろうと類推して答案を書いていかなければなりません。

この手の問題は,昔であれば関西圏の普通の信号機と豪雪地帯の縦型信号機を題材にして出題されていました。
ですが,最近は薄型のLED信号機の普及に伴って,旧来の縦型信号機を使った問題も出しにくくなっているのかもしれません。

問5について

尾道 ドック
問5は,各工業地帯・工業地域に関する知識をしっかりと養っていれば,すぐにウを選べたでしょう。
広島県は,瀬戸内工業地域の中でも大きなポジションを持っています。有名所は岡山県倉敷市(水島地区)の石油化学コンビナート地区だったりしますが,広島は府中町の地区で自動車工業が有名ですので,製造品出荷額は高くなります。他にも,広島県の東端にある福山市も製造品出荷額の多い工業都市です。

消去法を使って考える場合についても述べておきます。

まず,宿泊旅行者数の多さに着目して京都を削りましょう。
京都は,日本の文化財が集中しており,世界文化遺産にも指定されている寺院が多い世界的な観光の名所です。

次に果実の多いア・イは,米の生産量の多い少ないに着目し,アが和歌山,イを山形と判断できれば,残りのウが広島と判別できます。

この手の表の読み取り問題は,和歌山県立高校入試ではよく見かけやすい問題です。
表中の特に多い数字,とても少ない数字などに着目してちゃんと絞り込みをかけられるようにしたいものです。中途半端な数字に着目する必要はありませんよ。

大問3以降については,次回で述べていきたいと思います。

興味を持っていただけたようでしたら,下の3つのバナーのそれぞれをクリックしていただけたら幸いです。また,他のブログを探す一助としていかがでしょうか。
ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーリンク

この記事を共有(↓のボタンをクリック)

特に,TwitterやFacebookでのシェアや,はてブでシェアしていただけるとうれしいです。

関連する記事

次の記事
« 前の記事
前の記事
次の記事 »

スパムコメント防止の観点から,単語入力確認を導入しています。
悪しからず,ご了承ください。
また,感情アイコンは次のボタンをクリックして,コードを確認の上,ご利用ください。
感情アイコン感情アイコン