大阪府中学生チャレンジテスト中2社会B問題の分析

19:31:00
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今回は分析シリーズの第3弾となる,中2社会B問題の分析を掲載したいと思います。

先日,大阪府中学生チャレンジテスト中2社会A問題の分析を2回にわたって書かせていただきました。

そのときのチャレンジテストの分析に関するエントリは,次の2つです。今回のエントリで興味を持っていただけるようでしたら,併せてお読みいただければ幸いです。

  1. 大阪府中学生チャレンジテスト中2社会A問題の分析 その1
  2. 大阪府中学生チャレンジテスト中2社会A問題の分析 その2

大問の単元構成

中2社会Bの大問の単元構成は次に示す通りです。A問題と半分強の問題が共通問題となっています。

  1. 地理:世界から見た日本のすがた(A問題と同じ)
  2. 地理:九州~中部地方(A問題と同じ)
  3. 地理:世界から見た日本の位置や国土
  4. 歴史:近世~近代の日本と世界の歴史(一部はA問題と同じ)

各大問の分析

大問1・2

大問1・2はA問題と同じ問題ですので,お手数ですが,A問題の分析その1のエントリの方をご覧いただければと思います。

大問3

大問3の難易度そのものは標準的なレベルと言えます。

各小問の分析とか感想とか

(1)は国の位置と名称の知識が必要となる問題でした。地図1にもっと国境線を書いても良かったと思います。
(2)~(4)は地図2(正距方位図法の地図)を読み取る問題でした。一応,地図のキャプションに説明はありましたが,この小問は教育出版(教出)の地理で学習している生徒には少々不利なものだったかもしれません。現行の教出の地理教科書では正距方位図法の説明がほとんどなく,P.121に正距方位図法の図がキャプションとともに記されているのみです。現場サイドがちゃんと補足できていたでしょうか? 
(5)は日本の面積と排他的経済水域の面積の多さを把握していれば楽に解けます。
(6)は時差の問題として,本来は応用レベルに入るものですが,時差の計算があらかじめされているものなので,レベルとしては標準的なものといえます。中3になれば,時差の計算も必要な問題が増えると考えておきましょう

大問4

大問4の難易度は標準レベルと判断してよいと思います。あまり点数を落としたくない問題が多い大問です。

各小問の分析とか感想とか

(1)~(3)はA問題と共通した問題ですので,割愛したいと思います。
(4)は条文を資料として提示してもよかったかなと思いました。
(5)・(9)はそれぞれ歴史としては典型的な一問一答でした。
(6)も定番の三角貿易の図に関する問題でした。
(7)・(8)については,「日米和親条約」は年表中か(7)の設問文中に記し,(8)の選択肢の題材にするべきではありませんでした地図中の地点も,日米修好通商条約で新たに開港(横浜・新潟・長崎)された地点を選択肢にするべきだったのではないでしょうか。まあ,下田と横浜は近すぎるのでちょっとしんどいでしょうけど。あとは,この地図は中央揃えにしておいた方が体裁は良かったでしょう。(8)の選択肢は「下関砲台の占領」とか「薩英戦争」とか他のできごとを選んでもまったく問題が無かったはずです。
(10)は問題の選択肢があまりよくないです。誤ったものを選びなさいという設問するか地租改正の内容を書かせる記述式問題にした方が良質な問題にできたのになあと思いました。
(11)は,大日本帝国憲法の特色に関する定番の記述問題なのですが,解答例があまりよくなかったように思います。「臣民の権利は法律で制限をかけることが可能であった。」という感じの方がベターだったように思います。なお,この記述問題は今後は確実に書けるようになっておきたいところです。

全体的に

A問題と似たり寄ったりな感想になりますが,全体的な難易度としては標準レベルの問題でした。地図や統計資料をよく用いており,知識・理解一辺倒なテストにはなっていない点は評価すべきでしょう。,語句を答えさせる問題が少なめかなと感じました。あとは,正距方位図法あたりで少しとはいえ,有利・不利が発生しかねない点があったのは残念なところです。今後は,教科書間で有利・不利が発生しないよう慎重な問題作成が求めたいところです。

中2生向けに

ここもA問題と同じですが,今回のチャレンジテストを受検してみて,自分の成績状況に危機感を持った人は早めに中1・2の内容を春休みまでに固めておくことが大切です。成績は今月末あたりに渡されるはずですが,中1・2内容の復習はそれを待たずに開始できます。1日でも早いスタートを切ることが肝心です。


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