スポンサーリンク
これまで計5回にわたって,今年度の大阪府立高校入試の社会科の入試問題を分析してきました。その一覧が次の通りになります。
今回は,これまでの分析を基に次年度の社会科の入試問題を展望してみたいと思います。
ただし,この展望はあくまで次年度入試が全校での共通問題だという前提のもとになりますので,その点ご了承ください(もし,次年度から仕組みが変わるのであれば,新しい記事で再度展望し直してみますので)。
特別選抜の展望は,分析記事その2の一部と被るところはあると思いますが,その点はご容赦いただきたく。
特別選抜についての展望(というか対策?)
基本的に大問の構成は次のようになると思います。- 大問1:3分野の小問集合
- 大問2:地理(※)
- 大問3:歴史(※)
- 大問4:公民(※)
これまで通りの感じで組むのであれば,大問2・3あたりの分野の並びが入れ替わる可能性は考えられますが,どうなるでしょうか?
小問数に関しては,2016年度が35小問(記号選択25小問,用語回答9小問,文章記述1小問),2017年度が30小問(記号選択21小問,用語解答8小問,文章記述1小問)となっています。
2017年度で5小問減は減らし過ぎでは? という感があるので,次年度は33小問ぐらいまでは戻ってくるのかなという気がしなくはありません。
受験生の人は2016年度入試のペースで各設問を解けるようにしたいところではないでしょうか。
小問集合について
大問1については,一問一答レベルの小問集合(答えはすべて記号選択)が引き続き出題されると思われます(いわゆる「二度あることは三度ある」ってやつです)。これまでの出題内容を鑑みれば難度的にはできるだけ落としたくない設問だらけでしたから,一問一答レベルの基本的な語句・人名などをしっかりと覚えて,アウトプットできるようにしておきましょう(覚えるだけではだめで,問題練習を通してアウトプットできるようになってナンボです)。
地理について
地理がどう出題されるのかが一番読みにくいです。というのも,ここ2年間は地理では大問1の数問で日本地理の小問集合,1大問を使って世界地理が出題され続けてきています。
ただし,来年もこの形で出題されるのかどうかは正直言って読めません。
ここ2年間の傾向から考えれば「二度あることは三度ある」的に,小問集合に日本地理・1大問で世界地理という形式を踏襲することになるかもしれませんが,ここ2年はどうにも日本地理が疎かになっている点が無視できず,そろそろ日本地理⇔世界地理と扱いが逆になるんじゃないのかな? という気もしなくはないのですが……。
どのみち,問われるのは基本~標準レベルの内容だらけですから標準レベルまでのことをきっちりと仕上げていって本番に臨めるようにしたいところですね。
とはいえ,地理は教科書会社による記述内容の差が大きく全社の共通用語はかなり少ないのが実情。
とにかく,代表的な統計資料にはよくあたって特徴をつかんでおきたいところです(代表的な農作物に関する統計など)。
歴史について
歴史は正直な話ここ2年から大きく変化することはないと思います。教科書の内容も歴史は改訂による影響は少ないですし,出題傾向をガラッと変えなければならないというわけでもありませんし,今まで通りの形式で組まれるだろうと思います。
あとは,府内で採択されている各教科書の共通内容をしっかりと押さえておきたいところです。
特別選抜の歴史は素直な問題が多いですし,難度的にも基礎~標準レベル止まりです。
癖のない問題集で記述問題を含めて基礎~標準レベルの問題までをしっかりと仕上げておけば,十分に対応できるでしょう。
公民について
公民については,特別選抜・一般選抜とも府立高校入試の設問自体は定期テスト・実力テストとレベルは大差ないものがほとんどです(まあ,学び始めるのが中3の2学期からですからあまり難しくはできないという事情もありますが……)。そういう意味でも,他の大問よりも先に解き上げることで時間の余裕を確保しやすくなるはず。
もちろん,統計資料の読み取り問題が出されることは覚悟しておかないといけませんが,一般選抜の地理のようなややこしい計算が必要だなんてことはまずないでしょう。
やはり対策としては,過去問対策に入る前に定期テスト~実力テストレベルの問題を着実にこなせるようになっておくことでしょう(記述問題対策に関しては,簡単なものを仕上げておけばOK)。
一般選抜についての展望(というか対策?)
一般選抜の次年度入試は正直なところ,大問1が分野融合になるだろうということぐらいしか読めていません(おそらくは3分野融合で出題されるとは思いますが,2分野融合になる可能性も否定し辛いのです)。どうにも判断がうまくいかないと迷っている理由に関しては,次に示すここ3年度分の大問の分野別出題を見ていただければ,おおよそ推察してもらえるのではないかなと思います。
- 2015年度:3分野融合→地理→歴史→歴・公融合(公民の政治分野中心)
- 2016年度:歴・公融合→公民(政治・経済)→世界地理→歴史
- 2017年度:3分野融合→3分野融合→歴史→公民(政治)
しかし,その後が問題で年度ごとでとにかくバラバラなんですよね。
歴史・公民は単独の大問で出される可能性は高いでしょうけど,地理は2015・2016年度は単独の大問があったものの,今年度は地理単独の大問は無かったのも頭を抱えやすい状況です。
小問数でも「地理<公民」という例年とは外れた状況も招いていますし……。
今年度入試の構成もイレギュラー気味である点を加味すれば,次のような大問構成になるでしょうか。
- 大問1:3分野融合問題(最低でも2分野融合)
- 大問2:分野融合問題(固定)or地理(※)
- 大問3:歴史(※)
- 大問4:公民(※)
分野融合問題について
大問1については,分野融合問題として出題される可能性は極めて高いでしょう(大問2については何ともコメントが難しいです)。最低でも2分野,普通で3分野融合になると思います。
基本的なアプローチとしては,それぞれの小問がどの分野の設問なのかを理解して,分野が変わり次第,適宜,頭を切り替えることが大切です。
設問の難度的には標準レベルの問題が多いですから取りこぼしをしないよう,基礎~標準的な知識は問題演習を通じて完璧にしておきたいところです。
ただし,地理に関しては今年のように結構嫌がらせ的な設問が混ざる場合もありますので,いざという場合には,時間がかかりそうな設問を後回しにする決断力も必要でしょう。
地理について
一般選抜の地理は,受験生のレベル的な観点で一般選抜の問題は特別選抜よりは難しめに作らないといけませんので,どうしても地理は図版の読図,統計資料の判別(計算作業含む)といった設問が増えがちです。というのも,上での繰り返しになりますが,地理はとにかく教科書会社による記述内容の差が大きく,採択されているメーカーが増えるごとに共通用語はかなり少なくなってしまうからです(ここらへんは特別選抜も同様)。
しかも,ここ2年ほど時間を浪費させられる厄介な設問が確実に潜んでいます。
ここ数年の傾向から言えば,代表的な農産物に関する統計資料が頻出していますので,地図帳や統計資料集を読んでおくなど,統計資料対策はしっかりとやっておきたいところです(農産物以外の統計にも注意が必要です)。
他にも分析記事の方で書きましたが,統計に関する計算は正確な数値を解答しないといけないという状況でなければ,概数を使って省力化する工夫もありです。
(5/4追記)今年度は地形図が出題されたので,今までの傾向から推測すれば一般選抜ではおそらく地形図はしばらく出題されないだろうとは思います(出る可能性もないとは言えませんが,前例を考えれば出ない可能性の方が高いはず)。
歴史について
歴史は例年通りの感じで出題されるでしょう。とはいえ,今年度入試は記号選択問題が大幅に増えたことや完答問題の減少もありましたので,次年度入試は用語・人名解答がちょっと増量されるのではないかという気がします(用語・人名解答が増えなくとも記号の完答問題は増えるか?)。
あとは,2016年度入試では各教科書の共通して書かれている太字でない語句(とはいえ,大昔の教科書なら普通に太字だった気が……)が用語解答で問われたこともありますので,そういう方向にも注意しておくと良いでしょう。
一般選抜の歴史は,地理ほど厄介な設問は出題されません。
基礎~標準レベルの知識をしっかりと頭の中に定着させておき,標準レベルの問題や文章記述問題対策にしっかりと取り組んでおけば,基本的に苦労することはないはずです。
公民について
公民については,特別選抜の繰り返しになりますので,特別選抜の方を読んでいただければと思います。3分野の中では一番素直な問題が出題されやすく,難度の面でも基礎~標準レベルがほとんどです。もちろん,統計資料の読み取り問題は出されるでしょうけど,地理のようなやたら手間がかかるというようなものではありません。
しっかりと特徴をつかむことができれば,答えに直結するはずです。
やはり対策としては,過去問対策に入る前に定期テスト~実力テストレベルの問題を着実にこなせるようになっておくことでしょう(記述問題対策は標準レベルのものを仕上げておけば問題はないでしょう)。
最期に
基本的には,特別選抜・一般選抜の展望とも本試験の方を対象と考えています。一応,以前にも書いたことがありますが,大阪府立高校入試でも体調不良の受験生を救済するための追試験が行われる予定ではあるようですが,府教委の選抜方針を読んでも追試に関する話はまったく書かれていませんでした(リンクは府教委の公立高等学校等入学者選抜のページです)。
追試験の方は,実施要綱の発表か追試験に関する制度の発表を読まないことには何とも言えませんが,基本的に本試験より難易度は少し高くなると考えておいた方が良いかもしれませんね。
興味を持っていただけたようでしたら,下の3つのバナーのそれぞれをクリックしていただけたら幸いです。また,他のブログを探す一助としていかがでしょうか。
スポンサーリンク
スパムコメント防止の観点から,単語入力確認を導入しています。
悪しからず,ご了承ください。
また,感情アイコンは次のボタンをクリックして,コードを確認の上,ご利用ください。
感情アイコン感情アイコン