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堺市では今日(7月14日)まで,堺市教育文化センターで教科書展示会が開かれていましたので,最終日ギリギリですが行ってきました。
平成28年度から使用予定の教科書がどんなものかを見て来ようと思い立ったことです。お目当ては中学校の社会科の教科書。
今回は学び舎という新メーカーが参入したこともあり,ちょっと興味がありました。
28年度の採択をめざすメーカー
- 東京書籍(地・歴・公)
- 帝国書院(地・歴・公)
- 教育出版(地・歴・公)
- 日本文教出版(地・歴・公)
- 清水書院(歴・公のみ)
- 自由社(歴・公のみ)
- 育鵬社(歴・公のみ)
- 学び舎(歴史のみ)
ざっと読んでみた感想
東京書籍の地・歴・公とも質は安定してると思います。地理は27年度までのものは文章で説明しているが肝心の語句が出てこないなど中途半端なところもありましたが,28年度のものはそこらへんが改善されています。
ただし,公民の冒頭で経済の三主体を扱わないのはちょっとどうかなと思いました。三主体は経済を理解するうえでは根幹の部分になるのに,そこらへんは軽視ですか?
まあ,27年度までは財とサービスの話すら書いてない欠陥がありましたから,その点が改善されただけでも良しとしなければならないのでしょうけども。
帝国書院は癖の強い記述が多い歴史を,かなり癖を抑えてきた教科書にしてきました。27年度までのものより使い勝手はよくなっているかなと思います。公民の平和主義の記述あたりは理想論に過ぎます。もっと周辺の現実も見据えた記述をするべきでしょう。
高校用はしっかりしたものを作るのに,どうして中学校用は妙な癖が出るんでしょうかね? と思い続けてきましたが,来年度からは多少安心はできるかも。
教育出版は,これまでと同様使い勝手は悪くはないのですが,公民の平和主義もこれまた理想論というか,何というか。V-22オスプレイに対する印象操作めいた記述すらありますし。ここも地域の軍事面の現実を見据えた記述をした方がいいんじゃないでしょうかね。
日本文教出版は時間が無かったのであまり詳しくは読めていませんが,ざっと読んだ感じはそんなに悪くはなかったかなと思います。公民の最初あたりもかなり改善されている感じです。平和主義の所は帝国書院や教育出版に比べれば,まだ理想論ではない書き方をしていると思います。
清水書院も要所はちゃんと抑えてあって悪くはないのですが,どうにもあっさり感が否定できません。
自由社は歴史がかつてのつくる会の特色がそのまま残っており,記述内容の癖が強過ぎます。ちょっとこれでは常用するのはしんどいでしょう。公民は時間が無かったのでパスしました。
育鵬社ですが,歴史・公民ともかなり使いやすくなっています。中身も読んでみましたがほぼ問題はないように思います(採択反対運動が起こるほどの内容とは思えません)。平和主義もある意味,現実を見据えた記述もあり,そこは私個人は高評価します。
ただし,もうちょっと内容を改善(歴史の近代ヨーロッパのドイツ統一などの記述の充実や公民の経済分野で経済の3主体の話を冒頭に持ってくるなど)すれば,結構なシェアを取りに行けるレベルに達していると感じました。まあ,自由社よりはシェアを取れるでしょう。
(2015年7月15日に次の一文を追記)ただし,公民のところでいくら引用とはいえ,「サムシング・グレート」などと戯けたことを載せるのはいかがなものでしょうか。これは即座に他のより有用な記述に置き換えられなければならないでしょう。
来年から新規参入となる学び舎の歴史教科書ですが,教科書として使うには根本的な改善が必要です。まず,太字語句がまったく存在しません。これでは,生徒サイドがどこが重要ポイントなのかを把握するのは上位生でないと無理です。また,幕府の組織図などの定番の図版がなぜかなく,これまた組織を理解させるのには不親切。教師の負担が大きい教科書と言えます。
深い内容(ちょっと中学生にはマニアック過ぎるというものも)まで書いてある記述もあるのは評価しますが,あれは生徒向けというよりは教師向けの参考書的に思えてなりません。あの分量では本当に正味1年間で消化しきれるのかも怪しいです。
2015年7月15日 書き忘れていたことがあったので育鵬社の所の感想を一文追記しました。
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